Interview:LinuxのコミットメントをNovell副会長にきく

早川 由夏(レビューマガジン社)2004年03月29日 11時48分

――3月22日の基調講演を拝見しました。とても人気者ですね。また、マイクロソフトがお嫌 いのようですね。

「どうもありがとうございます。私は、マイクロソフトは良い会社だと思っていますよ。ただ、今や進むべき方向性が違って、最大のライバルとなりました。また、長年のいろいろな確執がありますので、これからは我々が巻き返したいという思いがそんな風に伝わってしまったのかも知れません。しかし、チャンスは我々の方にあると思いますよ」

――あなたは、今回のLinux旋風の仕掛け役で、重要なキーマンだと聞いています。

「いや、そんなことはありませんよ。私は立役者ではなく、ボスや会社のために後押ししているだけです。Linuxへの取り組みは昨年のBrainShareでお知らせした通りです。毎年ここで年間計画を発表し、公言したことは守る、ということを徹底しているだけです。昨年皆様にお知らせしたことの結果を携えてここに戻りました。そして、これから1年新たな計画を実行するだけです」

――基調講演で、「あなたは近いうちに必ずLinuxをインストールする」と発言しましたが、それはパフォーマンスですか。それとも何か裏付けがあるのでしょうか。

「おや、パフォーマンスに見えましたか? 私は皆様が今年中にLinuxをインストールすると予測しています。Linuxの素晴らしさはすでに認識されており、ユーザーの数はどんどん増えています。Novellを利用して素晴らしさを理解していただき、さらに普及させたいと思っています」

――今回のカンファレンスの反応をどのように見ていますか。

「皆様がNovellに関心を持ってくれてうれしく思っています。製品やソリューションを大変熱心に見て下さり、質問して下さったり…。皆様の全ての声が、社全体のこれからの励みになります」

――ご存じの通り、日本ではRed HatがエンタープライズLinuxとして大きなシェアを占めています。日本にはNovellの市場があるとお考えですか。

「はい、その状況は理解しています。しかし市場はあると思います。SUSE LINUXは、Red Hatと比較してはるかに素晴らしく、安く、柔軟性があるからです。私の口から今は申せませんが、実はすでに日本でも顧客がついております」

――後から参入することに対して、何か特別な戦略はありますか。

「後から参入したからといっても自社製品には自信があります。また、我々は新参者ではありません。9年以上も研究開発を進め、ハードウェアベンダーとも密に会議を持っています。そこから生まれた製品を顧客が比較して、素晴らしい、使いやすいと思う方を選ぶのです。期待していてください」

――Linuxばかりが強調されて、まるで違う企業になってような印象を受けます。それ以外の製品にはどう取り組みますか?

「それは誤解です。Linuxはオープンソースですので、皆様にお勧めしているだけです。もちろんLinuxとともに当社の製品を使っていただくのが目的で、まず第一歩としてLinuxをインストールしていただきたいと申しているのです。当社の製品群については、どれも自信のあるものばかりですし、Linuxはもちろん、Linux以外の製品にも宣伝にも力を入れねばなりません」

――最後に、日本の技術者に向けてメッセージをお願いします。

「Novellが戻ってきました。優れた製品を携えておりますので、Novellのプラットフォームをお使いになってみて下さい。私も日本で一緒に仕事ができるのを楽しみにしています」

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