もちろん、すべての広告の露出ターゲットが、そのまま広告主になることは少ないだろう。また、一方的に広告メッセージを送りだすだけの企業もずっと多いままに違いない。しかし、そんな企業の内部でもITによる権限分担が進行し、これまでの広告宣伝セクションを介さずして、何らかのマーケティングプロモーションを行うケースが増えてきている。そして、これまで通り営業担当のセールスマネージャらがセールスプロモーションを行う際にも、リアルの世界の延長としてネットを活用する機会が増えてこよう。
いずれにしても、Googleなどこれまでとは異なるビジネスの展開を前提としたプレーヤーとの競争を行っていく上で、単なる広告という発想だけでは脆弱なことは明白だろう。すでに、彼らは量の大小は問わずとも、既存メディアの広告枠を買い取り、ネット上で提供している広告オークションの仕組みをはめ込むなどの挑戦を積極的にすすめている。同時に、自社プロパティに加えてYouTubeのようなネット上のCGM、CGCプラットフォームの買収により、無尽蔵の媒体スペースを確保しつつある。しかしながら、これらの動きは、初期のGoogleが目指した方向性の横展開であり、必ずしも目新しいモデルが組み込まれているわけではない。
むしろ、広告という事業のより高度なプラットフォーム構築を、広告会社を買収し、その内部にあるスキルをIT化することによって実現する。そして、これまでとは異なる「広告」をベースにした事業展開を、マイクロソフトだけではなく、多くのネット企業が密かに進めているに違いない。
そして、それは当然のことながら、既存のマスメディア、そしてモバイルといったこれまでは個別のメディアとしてとらえられていたものを絡めとるプラットフォームに育っていくのではないだろうか。
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