PCを使う際に、マウスなどのポインティングデバイスは今や必要不可欠。ノートPCの場合、キーボードの手前に設けられたトラックパッドでマウスポインターを操作できるものの、使いにくいと感じる人は多い。そのため、ノートPCとは別に、マウスをわざわざ持ち歩く人もいる。
こうした不便さを解消しようと、Appleはキーボードのキーをマウスとして機能させる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間3月15日に「DEPLOYABLE KEY MOUSE」(特許番号「US 11,275,451 B2」)として登録された。出願日は2020年2月19日、公開日は2021年8月19日(公開特許番号「US 2021/0255711 A1」)。
この特許は、キーボードからキーを取り外し、ポインティングデバイスとして使う技術を説明したもの。実用化すれば、マウスを別に用意する必要のないキーボードが提供できる。
取り外し可能なキーには、キーボードに装着されている第1の状態と、キーボードから取り外された第2の状態がある。第1の状態では、通常のキー同様、押下することで文字入力などができる。第2の状態では、キー内部に組み込まれた位置センサーを使い、マウスのようなポインティングデバイスとして機能する。
このキーの表面に、指が触れたことや、触れた指の動きなどを検知するセンサーを設けても、ポインティングデバイスになる。キーの傾きを検知するセンサーでも、ポインター操作メカニズムを組み込み可能だ。
さらに、クレーム(請求項)には、動作に必要な電力を供給するバッテリーをキーに搭載し、第1の状態で充電する、というアイデアにも言及している。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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