柔軟性があって曲げられる表示デバイスが実用化されたことで、折りたたみ可能なフォルダブル型スマートフォンが市場に登場した。こうした表示デバイスの応用として、Samsung DisplayやAppleは巻物のようにディスプレイを丸めるデバイスに関する特許を取得している。カナダのクイーンズ大学は、実際に丸められるタブレット「MagicScroll」を試作した。
さらにAppleは、ディスプレイを巻き取れるデバイスに関する新たな技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間6月22日に「ELECTRONIC DEVICE WITH FLEXIBLE DISPLAY STRUCTURES」(特許番号「US 11,044,822 B2」)として登録された。出願日は2020年2月21日、公開日は2020年6月18日(公開特許番号「US 2020/0196460 A1」)。
この特許は、柔軟性のあるディスプレイをローラーへ巻き付けて格納可能なデバイスを説明したもの。内部にローラーを持つ第1の部分と、ディスプレイのローラー側とは反対の端が取り付けられた第2の部分に分かれている点が特徴だ。
第2の部分を第1の部分から遠ざける方向へ動かすことで、ディスプレイを好きなサイズに引き出せる。そのため、必要に応じて画面サイズを変えられる。ディスプレイに表示するピクセルデータの転送は、デバイス本体から有線接続を介しても、無線接続経由でも実行できる。
ディスプレイは、巻き取られている状態と引き出されている状態を区別できるようになっていて、状態に応じて動作を切り替えられる。また、磁石を使うことで、広げたディスプレイに“しわ”を寄らせないアイデアにも言及している。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」