女子大生と聞くと、キラキラしたイメージを持つ人もいるのではないだろうか。しかし、実際の女子大生は、外食するときも意外と「コスパ」重視。勉強会の後の食事で行った店で、「とにかく量が多いし、残したら持ち帰りもOKなんです。明日の朝ごはんにします」と複数の子たちが折り詰めにしてもらっていた。
女子大生がコスパを重視することは、彼女たちのSNSの使い方からもよく分かる。実態と背景について見ていきたい。
日本広告協会の首都圏の大学生を対象とした「『大学生』と消費に関する意識調査(2016年12月)」が興味深い。
金銭的・時間的余裕の有無について聞いたところ、「お金に余裕がない」は63.5%、「時間に余裕がない」は65.7%に上り、66.1%が自分を「コスパにうるさい方だと思う」、49.4%が「人よりケチだと思う」と答えている。何と約7割が「コスパにうるさい」のが実情なのだ。
今時の大学生はお金にも時間にも余裕がなく、それゆえにコストパフォーマンスにこだわらなければならないことがよく分かる。たとえば時間がないために、動画コンテンツはテレビではなく、スマホでYouTubeなどを使って見ることが多くなるというわけだ。
なお、コスパが良いと思うものは、「中古品を買うこと」(78.3%)、「資格の勉強」(75.2%)、「ふるさと納税」(66.2%)、「結婚」(61.5%)という結果になっている。
反対にコスパが悪いと思うものは、「課金型のスマホゲーム」(92.2%)、「アイドルの握手会」(82.1%)、「CDを買うこと」(79.8%)、「合コン」(75.2%)、「SNSにかけている時間」(71.1%)、「大学の授業」(71.2%)、「ブランド品を買うこと」(69.7%)などとなった。大学生たちは、中古品でも良いものを手に入れたいため、「メルカリ」「ヤフオク!」などをよく利用するというわけだ。
同協会の「大学生の『マナー』に関する意識調査」(2017年12月)」を見ても同様の傾向がある。友人・知人との人間関係に影響を与えるマナー違反は気にしつつ、時間もお金も損したくない、マナーにおいてもムダや非効率的なことを避ける合理的な傾向にあることが分かる。
彼女たちがコスパ重視で合理的なのは、Instagramでも同様だ。
Instagramでは元々、「#節約」「#節約生活」「#節約ごはん」「#家計簿」など、節約系ハッシュタグは人気が高い。「#コスパ」「#コスパ最強」「#コスパ最高」などのコスパ関連系ハッシュタグの人気も根強いが、前者は主婦層、後者は男性が多く利用しているようだ。
一方、大学生には自炊の記録をするための「#大学生ごはん」などのハッシュタグが人気。特に女子大生に人気なのが、「#プチプラ」「#プチプラコーデ」「#プチプラコスメ」「#プチプラファッション」などのプチプラ系ハッシュタグだ。
「#プチプラ」は354万件、「#プチプラコーデ」は131万件、「#プチプラコスメ」は20万件、「#プチプラファッション」は29万件など、非常に多く投稿されている。ファストファッションでのコーディネートや、プチプラコスメでのメイクは非常に人気が高いテーマとなっている。「#ユニクロコーデ」「#ユニジョ」「#しまむらパトロール」などをつけて、プチプラコーデを楽しんでいるのだ。
女子大生たちも「プチプラで可愛い」ことが一番と考えており、「服はメルカリで買い、ゆうこすとかの動画で知ったプチプラコスメでメイクをする」と答えていた。ただし、「ディズニーランドとか好きなミュージシャンのライブにはその分一気につぎ込んでしまう」という。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス