マッチングアプリ「タップル誕生」利用者を対象とした、サイバーエージェント傘下のマッチングエージェントによる「恋愛流行語2017」(2017年12月)調査結果が興味深い。1位は「公開告白」、2位「婚活アカウント」、3位「ネット婚活」、4位「#プレ花嫁さんとつながりたい」、5位「港区女子」となっている。
「公開告白」は、動画コミュニティ「MixChannel」から生まれた文化であり、その名の通りみんなの前で好きな相手に告白することだ。「婚活アカウント」は婚活用のアカウントのこと。Twitterでは「◯◯@婚活アカウント」などと名乗ったり、プロフィール欄に「婚活中」と書いているアカウントを指し、リアルな婚活状況をツイートしていることが多い。
「ネット婚活」は、マッチングアプリやSNSなど、インターネットサービスを使った婚活のことだ。「#プレ花嫁さんとつながりたい」はInstagramで、結婚をひかえた女性が結婚までの準備写真などを投稿する際につけるハッシュタグだ。やはり、結婚準備用アカウントを作成している例が多い。「港区女子」は、六本木などを中心に活動するキラキラ女子の総称だ。
InstagramやMixChannelなど、ネット発の流行語が多いことに気づくだろう。今回は、「公開告白」について取り上げていきたい。
公開告白は、人気高校生モデルの渡辺リサさんが2017年3月にMixChannel LIVEで配信をしたことがきっかけとなって流行したといわれている。この動画は今も見られるようになっており、ライブ配信内でリサさんはある男性に電話で告白している。配信は約3万5000人が見守り、告白が成功して視聴者からのお祝いコメントが殺到した。
リサさんはその後も自分の恋愛事情などをSNS上で堂々と公開している。リサさんだけではなく、他の同年代のモデルたちも、ファッション誌やSNSなどで自分の恋愛事情を公開したり、彼氏とツーショットで登場したりすることは珍しくない。
この流行に乗って、多くの10代女子たちが公開告白をしている。では、なぜ彼女たちはライブ配信で公開するのだろうか。大人は「人前で告白して失敗したら恥ずかしい」と考えてしまうが、彼女たちは違う。彼女たちには、「応援してほしい」「勇気がほしい」「失敗してふられた時に慰めてほしい」などの心理が働いている。共感してほしい、応援してもらって安心したいという思いが強いのだ。公開することで自分を告白するしかないところに追い込むことにもつながっているだろう。
MixChannelでは、もともとカップル動画の人気が高い。カップルの恋愛の軌跡を公開することで、ファンたちもその恋愛が追体験できる人気が高いカテゴリだ。「暇な時はつい見ちゃう」「なごむよね」「あんなカップルになりたいと憧れる」と女子高生たちに聞いたことがある。
MixChannelで「告白」で検索すると、告白とつく歌の動画と並んで、さまざまな告白動画が見つかる。「like100きたら本気で告白します!報告もします!」という動画は、コメント欄内で告白が成功したこと、3カ月で別れたことなどが報告されていた。また、告白したLINEのやり取りをそのまま動画にしてファンたちに報告している動画もある。コメント欄で質問を受け付けたり、「いい感じだね、おめでとう!」とお祝いコメントをもらったりしている。
「一番大切な幼馴染から一番大切な恋人になりました。応援してくれる方likeしてくれると嬉しいです」という動画には、「感動した」「最高」などの多くのコメントが寄せられている。
10代女子は恋愛漫画などと同様にリアルな恋愛を間近に見て学び、憧れ、自分も模倣していくようだ。投稿者にもメリットはある。多くのファンに応援してもらうことで勇気がもらえ、より一層幸せ感に浸れたり、失恋の悲しみを慰められたりするのだ。
告白してうまくいったというある女子高生は、「フォロワーが増えて人気カップルになれたからよかった」と教えてくれた。「大事な瞬間が残るし、見返すこともできる。あと、みんなが付き合ってることを知ってるから、浮気できないと思う」。
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