2008/02/20 14:08
半導体事業からハードウェア、ソフトウェア開発までコンピュータ関連ビジネスを幅広く手がけているNEC。同社は投資活動も含めさまざまなベンチャー企業とアライアンスを組み、事業の裾野を広げている。同社事業開発本部事業企画部マネージャーの山田一宏氏とソフトウェア事業推進ユニットソフトウェア事業企画室長の小川研之氏は、同社が押し進めるベンチャー企業とのアライアンスの方向性について聞いた。
「シリコンバレーの部隊とヨーロッパ、それと東京の我々でVCのワールドワイドなネットワークを組むことで最新の情報を共有しあっています」(山田)
NECは1997年からVCへの投資を開始し、現時点では10前後のファンドとネットワークを持つまでに至っている。
「NECは、VC投資のみならず、事業シナジー創出のため、ベンチャー企業への直接投資も行ないます。特に、私達が期待するのは、交流を通じて得られるイノベーションの先取りです」(山田)
そんな同社の投資方針を体現しているのが、アメリカのベンチャー企業「SpikeSource」社との提携だ。SpikeSourceは2004年に設立されたOSSのプラットフォームミドルウェアを開発しているベンチャーで、日本におけるビジネス展開を効果的に行うために、2006年11月にNECと直接投資を含む提携を結んだ。NECは日本において、オープンソース・ソフトウェア「SpikeSource Core Stack」及びWeb 2.0関連のソフトウェアセット「SuiteTwo」の日本版開発と代理店業務、その上部で動くアプリケーションを開発するベンチャーのとりまとめ役を担っている。
「当時、OSSによる新しいビジネスモデルを模索していました。ちょうどそのとき、SpikeSourceが日本でのビジネス展開を図っていたので提携を持ちかけたのです。結果的には単なる技術協力ではなく、SpikeSourceに弊社から資本を入れ、情報戦略まで共有するという、より踏み込んだ提携形態になりました」(山田)
今後、日本のマーケットの入り口になれればと思っています。加えて、SpikeSourceの人脈を活かして、北米における最新のOSS情報も入手しています」(小川)
一方で、NECはこの提携を通じて、日本のベンチャー企業とのリレーションも深めつつある。20社弱のベンチャーによるパートナー会をNECがリードを取って開催しているのだ。
「アプリケーションを作っている日本のベンチャーに集まってもらって、一緒に営業力を強化していければと考えています。また、この提携以外でも、アイディアがよければ我が社の担当事業部とつながっていただけることもありますし、ステージが若い会社でも勢いがあって補完関係があえば、提携に発展するケースもあります。今後も、日本のベンチャー企業のハブ・触媒として活動していきたいと考えています」(山田)