「光の道」--ソフトバンクが問いかけるA案とB案の本質とは

2010年11月19日 19時15分

 11月18日、ソフトバンクが「光の道」構想に関する意見広告を新聞各紙に出稿しました。光の道とは総務省の掲げている成長戦略で、2015年までに全世帯でブロードバンドサービスを利用できるようにするというもの。ソフトバンクは以前より、光の道の実現のためにNTT東西が運営するアクセス部門の資本を分離し、政府、NTT、KDDI、ソフトバンクの共同出資によるアナログ回線会社を新たに設立する案を主張してきました。

 しかし総務省は作業部会においてNTTグループの経営を現状維持とする報告案を固めたとの報道が11月17日にありました。ソフトバンクの意見広告は総務省のこうした動きを受けてのものとみられます。

 意見広告では「税負担あり、月額料金5000円、エリアは地方切り捨て、時期は2025年以降」というA案と、「税金ゼロ、月額料金1150円、エリアは全国、時期は2016年」というB案(ソフトバンク案)が比較され、AとBどちらを選ぶか読者に問うています。意見広告だけを見ると、B案の方が優れているような印象を受けますが、実際のところはどうでしょうか。パネリストの皆さんのご意見をお聞かせください。


  • クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuya
    クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuyaさん (コンサルタント、経営アドバイザー)
    A案もB案もどっちもダメってことでいいんじゃないでしょうか。

    ソフトバンクの財務状況とかの個別事情にまつわる厳しい目線を捨象したとしても、B案には社会インフラを考える上での基本的な視点が欠落してますね。一方でA案はNTTの自社都合すぎる、というかNTT再編を意識しすぎている。

    光ファイバーの敷設という本来の論点に絞り込めば、基本的にはA案とB案の間をとるような形で、使えるものは何でも使って前倒ししていくべきでしょう。ただそれは既存設備も含む以上、資産勘定の問題があるんだから、原則は事業者負担でがんばるべきというのが筋論。そして、そのために規制緩和が必要なら規制当局にはそっちでがんばってもらう、という話で、いいんじゃないかと思うんですけどねえ。

    しかし、なんでそんな単純な話を、わざわざ負け戦を仕掛ける形で、ソフトバンクがひたすら突き進むのか。そっちの方に興味がありますね。光公社にSBTのバックボーンやらSBMのバックホールやらを全部押しつけるというメッセージを打ち出すことで、みずほFGをはじめとするステイクホルダーたちに、オフバランスの意志があるとでもコミュニケーションしたいのかな。
    2010-11-20 15:09:05

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