スパコン世界一目指すべき? 事業仕分けを考える

2009年11月27日 06時00分

 政府の行政刷新会議が行っている予算見直しのための「事業仕分け」に対して、江崎玲於奈氏などノーベル賞受賞者が緊急声明を発表しました。同氏らは学術や科学技術に対する予算見直し作業が日本の科学技術発展にマイナスの影響を与えるという懸念を訴えています。

 政府は事業仕分けの中で次世代スーパーコンピューターの開発予算を削減すべきと判断しましたが、研究者らは「当該諸事業の評価において大いに問題があるばかりではなく、若者を我が国の学術・科学技術の世界から遠ざけ、あるいは海外流出を引き起こすという深刻な結果をもたらすもの」と批判しています。

 今回の科学技術分野の事業仕分けについて、パネリストの皆さんの意見をお聞かせください。読者の皆様のコメントもお待ちしております。


  • 江島健太郎
    江島健太郎さん (エンジニア、アントレプレナー)
    絶妙なタイミングで、長崎大工学部の浜田剛助教のグループが、GPUを760個並列につなげ、それまで国内最速だった「地球シミュレータ2」を越える性能を達成したことでゴードン・ベル賞を受賞したとの発表がありましたね。費用はたったの3800万円だったそうです。この価格性能比は画期的です。

    (リンク »)

    こんな状況で、国産スパコンの開発にのべ1000億もの国家予算を投入することにどういう意味があるのか?改めて考え直すべきタイミングです。

    科学振興が旗印ならドンブリ勘定OKにせよというのは、いくらなんでも甘えすぎでしょう。だいたい、科学って世界認識のための記述をどんどん書き換えていくというロマンだと思っていたのですが、いつから決められたルールの上で点数を上げて「1位」をとる、みたいなセクシーさのかけらもない受験勉強みたいな目標でもアリってことになったんでしょう?日本の科学はそこまで落ちたのかと思うと、とても残念です。

    それに加えて、これは個人的見解ですけど、ああいう力技のアプローチが計算機科学の理論的・実用的な発展につながるとは全然思えないんです。その割に、量子計算機とか、本当に野心的な研究にはあまり予算が行ってないんじゃないでしょうか。つまり、理解されないものは予算がつかない。それは古今東西の黄金ルールです。パトロンに理解してもらう努力を怠っておいてパトロンを非難するとは、ずいぶんな言い分です。

    宇宙開発ではアポロ計画のあと、月までは行かなくなりました。海底探査ではトリエステのあと、1万メートルまで潜る有人艇はありません。予算度外視で象徴的な記録を達成したら、あとは費用対効果を追求するのは世の習い。いいじゃん、スパコンで世界一「だった」で。君たちのことは忘れないよ。

    日本は、そろそろ本音と建前を使い分けるドロドロなし崩しの文化から脱却して、明快に一本筋のとおったストーリーで説明責任を果たすという、当たり前のことをやるべきだと思います。権威より論理、ノーベル賞より説明責任ですよ。

    今回のスパコンの件、仕分け人の判断はきわめて的確で、いい仕事をしていると思います。
    2009-11-27 07:43:04

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