GoogleがMicrosoftの帝国に狙いを定めていることに、疑いの余地はほとんどなかった。しかし、「Google Chrome OS」の発表によって、両社の対決は新しい段階に入った。
知らなかった人のために説明しておくと。Googleは米国時間7月7日夜、2010年後半にオペレーティングシステム(OS)分野に参入することを発表した。従来PC向けに使われてきたx86プロセッサ、および携帯電話で一般的なARMベースのプロセッサのどちらでも作動する、LinuxベースのOSをリリースするという。立ち上げると即座にブラウザが表示され、ブラウザ内ですべてのアプリケーションが動く、非常に軽量なOSというのがChrome OSの発想だ。
Googleは公式ブログで、このようなアプローチの利点を列挙している。
製品管理担当バイスプレジデントのSundar Pichai氏とエンジニアリングディレクターのLinus Upson氏によるこのブログ投稿には、次のように書かれている。「ユーザーは、コンピュータが起動してブラウザが立ち上がるのを待つのに時間を無駄に費やすことなく、すぐに電子メールを見たいと思っている。また、使っているコンピュータが常に購入した直後と変わらぬ速さで動いてほしいと望んでいる。自分のデータは居場所を問わずアクセス可能なのがよく、コンピュータの紛失やファイルのバックアップ忘れを心配することがなくなればよいと考えている。さらに重要なのは、新しいハードウェアを加えるたびにコンピュータのシステム設定に何時間も費やしたり、絶え間ないソフトウェアアップデートの心配を強いられたりすることを、ユーザーは求めていないという点だ」
こうした機能の魅力は否定しがたいが、今までも複数の超有名企業が同じアプローチをとって失敗してきたことは、指摘しておくべきだろう。
特筆すべきは、これはAppleが「iPhone」について当初語っていた売り文句と同じだということだ。Appleは最初、iPhoneのOSへの直接アクセスは必要なく、開発者はウェブアプリを書くだけでよいと説明していた。
しかしiPhoneにさえ、開発者やユーザーはそれ以上のことを求めた。
とはいうものの、今回はGoogleだ。GoogleにはAppleと比較してもかなりの蓄積がある。ローカル処理やストレージをフル活用できないなど、ブラウザには多くの短所があるが、Googleは「Google Gears」や「Native Client」をはじめとする数多くのプロジェクトで、こうした欠点の改善に取り組んでいる。
この取り組みに時間がかかることは、Google自身も認めている。とにかく、Windowsに対するGoogleの全面攻撃が、今や公然のものになったことは間違いない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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