Microsoftは、Googleが「Google Chrome」を発表したことに素早く反応する目的で、Chromeが「Internet Explorer」(IE)にどの程度張り合うかに焦点を当ててコメントした。
「ブラウザ市場は競争が激しいが、人々は使い勝手のよい『IE 8』を選ぶだろう。IE 8では、クリックだけで求めるサービスをすぐに利用でき、ブラウズの仕方について個人の選択を尊重し、他のどのブラウジング技術よりもオンラインの個人データを管理された状態に保っているからだ」と、IE担当ゼネラルマネージャーのDean Hachamovitch氏は声明で述べた。
だが、Microsoftは、Chromeの発表がIE 8に対する攻撃をはるかに超えていると認識したほうがいいだろう。Googleはすでに、Mozillaにとって大きな支援者であり提携相手だった。単によりよいブラウザを求めていただけなら、Googleはただ単に「Firefox」への投資を追加するだけでよかったはずだ。
Google自身の説明によると、Chromeは、ウェブページを閲覧するための手段であると同時に、Webアプリケーション向けのプラットフォームでもあるという。
「われわれが本当に必要としていたのは、ブラウザだけではない。ウェブページやアプリケーションのための現代的なプラットフォームも必要としていた。こうしたものを構築するため、われわれは取り組みに着手したのだ」とGoogleは公式ブログに書いている。
今のところChromeを実行するにはWindowsが必要(Mac版とLinux版は近日中にリリースされる予定)だが、ChromeがMicrosoftのOS支配を脅かす存在であることは明らかだ。
そう遠くない将来、LinuxベースのChrome搭載マシンや数多くのChrome用アプリケーションが登場することを想像してみよう。そう考えると、ChromeがMicrosoftにとってかなり大きな脅威になるという予想が真実味を帯びてくる。
とはいえ、Netscapeの全盛期以来、ブラウザがOSをしのぐようになると予想されてきたが、OSが重要であるのは今も変わっていない。Microsoftにとって重要な問題は、OSが単に適切であるだけでなく、PCの価格に100ドル上乗せするだけの価値を維持できるほど、ブラウザとWebアプリケーションのエンジンのほかから、より良い体験を作り出せるかどうかだ。
だが、競争はPC市場だけにとどまらない。Google発のより競争力のある「プラットフォームとしてのブラウザ」は、モバイル市場でもMicrosoftの頭痛の種が増えることを意味するのかもしれない。Microsoftはすでに、モバイル向けブラウザ市場で追い上げを図り、「iPhone」の「Safari」ブラウザと対決しようとしている。同社は2008年末までに「Windows Mobile」にIE 6を搭載すると約束してきたが、それによって既存のライバルにどこまで迫れるかは不明で、Chromeなどの新規参入組とのシェア争いも当然ながらはっきりしない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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