プリンシパルコンサルタントのブレント ダイクス氏がテーマとしたのは、見込み顧客(リード)をいかに誘導して、コンバージョンに結びつけるかという「オンラインリード獲得」である。Omniture SiteCatalystなどのプロダクトを利用して、リードを獲得するための手法が解説された。
まずダイクス氏は、「主要業績評価指標(KPI)の設定が重要です。KPIはウェブサイトで目指すビジネスゴールへの達成度を数値化したものだとお考えください。業種やウェブサイトの目的によってKPIは異なりますが、ここで注意しなければならないのは、行動を起こすための指標にならないデータはKPIではないということです」と強調した。
例えば、サイトの平均滞留時間。ネット広告において重要なデータではあるが、KPIには含まれない。コンテンツに満足している可能性もあれば、操作性がわかりづらいために必要な情報を見つけるのに時間がかかっているということもありうる。そのため、その他のデータも合わせて分析を行い、より具体的な行動に落とし込むことができるデータを抽出していくことが必要になる。
考慮すべきKPIは業種によって異なるが、金融サービス、自動車販売、B2B向けハイテクなどの業種で共通して重要なのが、リード(見込み客)だ。こうした業種では、資料請求などのフォームにユーザーを誘導し、リードとしての情報を獲得することが目的になってくる。
そこで、どのマーケティング手法、あるいはどのランディングページやクリエイティブがリードを獲得するのに有効なのかを分析していく。SiteCatalystで取得している指標にキャンペーンの属性データを関連づけることで、リード獲得に貢献している要素が把握できる。
クリエイティブの評価には、A/Bテストが有効だ。ダイクス氏は、「A/Bテストにおける注意点は、テストのバリエーションを時間差ではなく、同時に走らせるスプリットランテストを行うこと、ページ名を変更しないこと、一度に変えるのはひとつの要素だけということです」とポイントを挙げる。また、同社のテスト及び行動ターゲティングツールのOmniture Test&Targetを用いると、同時に複数の要素を入れ替えて行う多変量テストも簡単な手順で行える。
ウェブ解析は導入すれば終わりではありません。解析で得た数値をどのようにしてビジネスに活かしていくか、組織としての運用ノウハウが試されます。KPIの設定といった重要課題から、ウェブ2.0、RIAへの対応など一歩進んだ可能性まで、オムニチュア株式会社のベストプラクティスコンサルタントである大山忍氏がウェブ解析の全貌を解き明かします。