リード獲得を目的とするサイトでのコンバージョンは、資料請求フォームへの記入といったことになる。そこに至るまでのプロセスを細かな「マイクロコンバージョン」に分けることで、きめ細かな最適化が行えるという。
「例えば、製品紹介ビデオを視聴するユーザーの数はそれほど多くないとしても、そこから最終的なコンバージョンに結びつく割合が高いということもありえます。マイクロコンバージョンを設定することで、貢献度の高いページを明らかにし、ユーザーの行動パターンを綿密に分析できるようになるのです」(ダイクス氏)
最終的なリード獲得フォームについても、細かく分析することが重要だ。記入を途中でやめて離脱してしまったユーザーが、最後に記入しようとした欄はどこだったのか。そうした情報を集めてフォームを修正することで、コンバージョンの向上につなげることが可能になる。
こうした取り組みに加えて、ダイクス氏が述べたのが、オフラインとオンラインを融合するという手法だ。「業種、企業によっては電話による問い合わせを始めとして、オフラインの要素がリード獲得に大きく関与していることも少なくありません。つまり、オンラインとオフライン両方の情報をOmniture SiteCatalystで結びつけていく必要があるのです」というのがダイクス氏の主張だ。
人間の行動をデータ化して分析することでパターンを発見し、予測を立てていくこれらの手法は、マーケティングは「人間」を相手にしているのだと改めて考えさせられる。
例として挙がった米国Sony Styleでは、サイト上に注文用電話番号が記載されている。番号をクリックすると、通話用のポップアップウィンドウが開く。これらのリンクにはオムニチュアが設定した固有のトランザクションIDが割り当てられており、ユーザーがリンクをクリックして通話を要求した場合、ウェブ上の他の要素と同じように測定される。さらにユーザーが自分の電話機で番号をダイヤルした場合にも、ポップアップウィンドウに表示されているコード番号をユーザーに読み上げてもらうことで同じように情報を取得できる。
オフラインのデータを、オンラインのデータと結びつけて分析することにより、例えば電話による問い合わせが急増したケースではウェブサイト上に十分な情報がないから、といった状況分析が的確に行えるという。このように、ユーザーの心理や行動に肉薄できるのが、オムニチュアのソリューションの強みだと言えるだろう。
会場の様子
ウェブ解析は導入すれば終わりではありません。解析で得た数値をどのようにしてビジネスに活かしていくか、組織としての運用ノウハウが試されます。KPIの設定といった重要課題から、ウェブ2.0、RIAへの対応など一歩進んだ可能性まで、オムニチュア株式会社のベストプラクティスコンサルタントである大山忍氏がウェブ解析の全貌を解き明かします。