一方、SearchCenterの中核を担う機能としては「自動入札」が挙げられる。SearchCenterでは、ROASなどのビジネスに直結した指標を条件に作成した独自の入札ルールに基づき、曜日や時間別などのスケジュールを設定し、常に優位な競争条件での自動入札を可能にする。さらにCPC(クリック単価)の高騰化や、CPA(顧客獲得単価)が一定値を越えるキーワードが見られた場合は自動的に停止させるなどのルールをキーワード単位で設定することで、管理コストを削減し、売り上げの拡大と広告費用の最適化に貢献する。
加えて今回のバージョンアップでは「ポートフォリオ入札機能」が新たに採用されている。SearchCenterの自動入札は、従来ではキーワード単位で自動入札ルールを設定していたが、新機能ではキャンペーン予算とその他の条件を設定すると、各キーワードのCPCがオムニチュア独自のエンジンに基づいて自動で計算され、キャンペーン全体のROIを最大化するシミュレーションが作成される。そのシミュレーションが満足いくようであれば、「承認」することによって、各キーワードがそのCPCに自動的に設定される。
また、この最新バージョンでは自然検索キーワードとリスティング広告キーワードの効果を一覧表示させることができる。自然検索のみから流入のあるキーワードでリスティング広告に登録されていないキーワードがひと目で判別可能となり、またこのレポート上からリスティング広告キャンペーンに登録できる。これにより、サーチ戦略効果の包括的な把握と最適化を行うことが可能となっている点もビジネス上の大きなメリットといえるだろう。
ほかにも検索連動型広告では不正クリック(クリック詐欺)への対応も必要だ。SearchCenterでは不正クリックを検知する「TrueClick」を実装しており、検索キーワードの意図的な出稿費用の上昇を検知することができる。
このようにSearchCenterでは、各キーワードの効果に対して的確でリアルタイムな把握が可能となっている。これはマーケティング担当者に高度なSEM戦略の実現を約束するものだと言えるだろう。各企業のSEM戦略を最適化し、設定するゴールへの最短ルートを提供するのが、まさしくSearchCenterなのである。
ウェブ解析は導入すれば終わりではありません。解析で得た数値をどのようにしてビジネスに活かしていくか、組織としての運用ノウハウが試されます。KPIの設定といった重要課題から、ウェブ2.0、RIAへの対応など一歩進んだ可能性まで、オムニチュア株式会社のベストプラクティスコンサルタントである大山忍氏がウェブ解析の全貌を解き明かします。