2020年、コロナ禍でデジタルコミュニケーションへのニーズが高まる中、アクリートは新たな成長戦略として「デジタル社会に、リアルな絆を。」というビジョン、「コミュニケートするすべての人に、セキュアで最適なプラットフォームを提供する。」というミッションを打ち出した。新ビジョンに込めた思いを、田中氏は「デジタルコミュニケーションでも、リアルな絆をつくっていきたいということ」だと話す。
「コロナ禍でデジタルトランスフォーメーションが加速する一方で、それについて来られない人もいます。そういう人たちも含めて、デジタルとリアルを結びつけていくのが、自分たちの役割だと思うんです。日本人は行間や空気を読むハイコンテクスト文化ですが、オンラインでは行間や空気が読みにくく、不安に感じる人も多い。そういう人に送り主の思いとともに、安心や信頼を届けたいと考えています」
すでに従来のSMS配信事業に加えて、新事業領域にも乗り出している。冒頭に触れた+メッセージの公式アカウントサービスもそのひとつだ。+メッセージではSMSのようなテキストメッセージだけでなく、画像・動画等のリッチコンテンツにも対応したメッセージを送信できる。アクリートではユーザーが+メッセージアプリを使用しているかによって、テキストとリッチコンテンツを送信し分けるシステムで、特許も取得している。
「+メッセージも携帯電話番号を使った事業という意味ではSMSの延長線上にあるものですが、携帯電話番号を使わない絆のつなぎ方もある。SMSや+メッセージは企業にとってコミュニケーションチャンネルのひとつですが、情報を伝える方法はひとつではありません。これまでに培ったノウハウを活かしながら、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAIも駆使し、顧客満足度を高めるお手伝いをしたいと思っています」
アクリートは11月、米Forbesのアジア版「Forbes Asia」が選ぶ「Asia’s 200 Best Under A Billion」に選出された。アジア太平洋地域を代表する、年間売上10億ドル未満の上場企業から特に優良な企業200社を選出するもの。対象となった1万8000社の中から18社の日本企業が選ばれ、アクリートもその一角を占める。
「地道にやってきたことを評価いただいたのはうれしいのですが、今の私達があるのもお客様とビジネスパートナーのみなさまに育てていただいたもので、今後もアクリート1社だけでは何もできないとも思っています」と田中氏。今後について「引き続きお客様のご要望に真摯に応えながら、セキュリティ×コミュニケーションを軸に、社会課題解決に貢献できる企業を目指していきたい」と語った。
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