「ウェブサイトに関することならどんなことでもお任せください」と言い切り、サイト改善のために日々データを解析する女性、石井陽子さん。デジタルフォレストのプロフェッショナルサービスグループ コンサルティング部でプロジェクトリーダーを務める。
解析したデータは分かりやすく見せるための工夫を惜しまず、日々進化するウェブと広告の知識を着々と身につけ、社内でも「鬼に金棒、何かあったら石井陽子を呼べ」と言われているという。常に攻めの姿勢で走り続けている彼女が、仕事の裏側と日常について語った。
「仕事内容は基本的に企業のマーケティング担当者の支援です。バナーやリスティング広告の効果測定、会員獲得数を増やすのにボトルネックとなる部分の特定、そしてそれらの改善のために参考になる資料を作ります。デジタルフォレストはウェブのアクセスデータを解析するためのASPサービス「Visionalist」の提供をしていますので、使いこなせていない企業に向けて提案活動なども行っています」。
デジタルフォレストが主催するセミナーの講師を何度も務めている石井さんは、滑舌良く流れるような口調で仕事内容を説明する。
そんな石井さんの一日は、朝6時半から始まる。
「会社に来るのは遅いですけど起きるのは意外と早いです」と、朝食、入浴の後にメールチェックや新聞・テレビのチェック。マーケティングという仕事柄、NHKの朝のニュースや「スッキリ!」(日本テレビ)など、全チャンネルのチェックを欠かさない。
午前中は社内で顧客への報告資料などの準備、午後は顧客を訪問して打ち合わせ。この日はアクセス解析と売り上げデータの分析結果を使ったプレゼンを行った。会社に戻ると、打ち合わせの議事録や課題、ToDoのまとめ。
夜は「みんながいなくなってから作った方がはかどる」と、集中して講演や提案資料を作成する。
帰宅後は「家でテレビを見ながらちょっとゆっくり」して就寝。休みの日にもレポートを持ち帰り、仕事関係の本を読んだり「仕事はしますね」。
普段から、ペンとノートは必ず持ち歩き、交通広告を見ても「面白いキャッチがあるとすぐにメモします。ペンはなくすのでよく買うんですよ。文房具を買うのは好きですね。特にメタルっぽい見た目のものに惹かれます」
また「通勤ではニンテンドーDSを持ち歩いて「えいご漬け!」をしています。仕事で必要があって本格的に英会話を習っているのですが、語彙を増やすためにプラスアルファとして使っています」。
持ち物は基本的に「ツヤ感のある金属や、差し色としてきれいな色の小物が好き」なのだという。デジタル製品も大好きで、休みの日には買い物に行くことも多い。「最近はスマートフォンを買おうと思って、ウィルコムにするか、ソフトバンクにするか迷っています」。
石井さんはもともと商社でファッション分野の仕入れを担当していた。NTTドコモのiモードサービスが立ち上がり「それまで店舗で売れていたものが、iモードのサービスでは売れなかったことに興味が湧きました。売れるものと売れないものを定量的なデータで分析するのは、性に合っていると思います」。
女性だからこその苦労は、と聞くと「男・女とあまり気にしたことはありません。体力的な面などで『女だからこんなもんでいいよ』と思われているだろうなという空気を感じることはありますが、それを払拭するためにも納得のいくような結果を出さなければいけないと思っています」との答え。
「コンサルタントとして経験の長い人は、経験則から物を言うことができるので、それには敵わないと思いますが、常に顧客よりも一歩先を走る知識やセンスが必要ですし、ITの世界は流れが速いので日々勉強することは覚悟の上でこの業界に入りました。仕事では徹底的に納得感を得られるようにしたいと思っています」と、終始明るい表情を崩さなかった。
立命館大学法学部卒。商社でファッション関連事業に従事した後、インデックス・コミュニケーションズでEコマース事業部の責任者を経験。「ファッションウォーカー」の事業立ち上げなどで着実に“ウェブの何でも屋”としての風貌を身につけながら現在に至る。デジタルフォレストではこれまでの経験とアクセス解析ツール「Visionalist」をフルに活用し、「サイト改善の確実なROI向上」の標準指標を作り上げる。
とにかく隙を見せない女性だという印象を受けました。テキパキと手際よく、言い直しや曖昧な言葉はほとんど挟まずに質問に答えてくださいました。過去には、たった一人で事業の立て直しに携わり「ダメかと思った」経験があるそうですが、今の石井さんとお話していると、この人に乗り越えられないものはないだろうという強さを感じます。自分の未来像をはっきりと持ち、今やるべきことを着々と積み重ねる、芯の強い女性だと思いました。
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