SBI証券とKDDI傘下のauじぶん銀行は7月30日、今秋を目途に業務提携し、口座連携サービスの開始を検討すると発表した。8月1日のKDDI決算説明会で松田浩路社長は、その背景を説明した。
松田社長は「証券会社に関してはオープンに提携していくポリシーに切り替えた」と説明した。KDDIは2024年10月、auカブコム証券の株式を三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)に売却し、現時点で証券会社との資本関係を持っていない。そして、今回のSBI証券との業務提携に至った。これら一連の流れについては、証券会社は顧客によって切り替えが難しい側面があることから、「auのお客さんが使っている証券会社に対応していく方針」(松田社長)だと述べ、「ユーザーがすでに使っている証券会社」との連携を拡大する考えを示した。
SBI証券との提携では、今秋を目途にauじぶん銀行とのリアルタイム口座振替が可能になり、利用者には0.1%の金利優遇を提供する。従来の三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)に加え、証券連携の選択肢が広がる。
なお、NTTとSBIホールディングス(SBI HD)は2025年5月29日に資本業務提携を発表している。NTTとSBI HDの提携の影響について問われた勝木氏は「それ以前からSBIホールディングス様と提携の話を進めていた。ドコモさんの話があったから我々が今回動いたわけではない」と時系列を明確にした。
KDDIの金融事業の業績は順調に推移している。auフィナンシャルホールディングスの2025年度3月期第1四半期の営業利益はは117億円で前年同期比+33.0%と伸長。「auマネ活プラン」の契約者は160万人を突破し、auゴールドカードも161万人と顧客基盤が拡大している。
勝木氏は「通信と金融が結びついた経済圏競争が主戦場に変わっている。長年金融に取り組んできたのが戦略的に正しかったと思う」と述べた。
今後について勝木氏は「複数社と協議を始めている」と明かし、証券各社との連携拡大を推進する考えを示した。松田社長も「マネ活プランについてSBI証券様との提携も含めて強化していきたい」と述べ、金融サービスのさらなる拡充に意欲を見せた。
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