米最高裁は現地時間1月17日、TikTok禁止の可能性を含む法律を支持する判決を下した。
同法律は、2024年にバイデン大統領が署名したもので、TikTokの親会社バイトダンスが1月19日までに米政府公認の買い手にTikTokを売却しなければ、事実上、米国での使用を禁止する内容だ。TikTokはこの法律が企業と1億7000万人の米国ユーザーの言論の自由を侵害していると提訴した。
しかし、最高裁はその主張を退けた。判決では、TikTokを「表現や関与、コミュニティ形成のための独自で広範な手段」と認めながらも、「データ収集方法や外国の敵対者との関係に関する国家安全保障上の懸念に対応するため、売却が必要だ」との議会の判断を支持している。
「以上の理由から、今回の条項は(言論の自由を定めた米憲法の)修正第一条を侵害していないと結論づけた」と裁判所は述べた。
TikTokは同判決についてコメントを求める電子メールにすぐに応答しなかった。
Merrick Garland米司法長官は、この判決により「中国政府がTikTokを武器として米国の国家安全保障を損なう行為を防げる」と述べた。「権威主義的な政権が何百万ものアメリカ人の機密データに無制限にアクセスすることを許すべきではない」とも強調している。
TikTokと米政府の弁護士たちは先週末、法定で口頭弁論を行い、第一修正と国家安全保障の問題を争点に議論した。審理の中で判事からは、同問題が「言論の自由」ではなく、中国という「外国の敵対者による危険性」に関するものとする政府側の主張を支持する姿勢がうかがえた。
議会では、与野党ともにTikTokが国家安全保障上の脅威であるとする懸念や、中国政府がTikTokを利用してアメリカ人をスパイしたり、偽情報を広めたりする可能性についての懸念が高まっていた。
TikTokはこれらの疑いを否定し続けている。昨年の議会での投票前には、TikTokが米国ユーザーに対して議員たちに禁止案への反対を訴えるよう呼びかけた。しかし法案は両院で大差で可決された。
TikTokの短期的な動向と長期的な展望は依然として不透明だ。
Lisa Monaco司法副長官は声明で、日曜日に法律が施行された後、「中国とのつながりを断つための取り組みを進め、法律を執行するプロセスには時間をかける必要がある」と述べた。
ホワイトハウスもバイデン大統領の立場に変化はなく、国家安全保障上の懸念を満たす形での所有権変更が必要だとしている。
「現状を考慮すれば、この法律を実施する行動は次期政権に委ねられるべきだと本政権は認識している」と声明は述べている。
一方、木曜日にバイデン政権の高官はABCニュースに対し、1月20日月曜日にドナルド・トランプが大統領に就任するまでの間、この法律を施行する予定はないと語った。
トランプ氏は第1期中にTikTok禁止を推進したが、現在は方針を転換している。12月下旬には弁護士を通じて意見書を提出し、禁止を延期して「政治的解決策」を練る時間を確保するよう求めている。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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