大手テクノロジー企業は長年、規則正しいスケジュールで新型スマートフォンを発表してきた。サムスンは第1四半期に「Galaxy S」シリーズの新作を、Appleは9月に最新の「iPhone」を発表するのがお決まりだ。このパターンは2025年も続く可能性が高いが、報道やリーク情報を信じるなら、意外な新製品が飛び出すかもしれない。
例えば「スリム」モデルだ。Appleとサムスンは2025年に現在のスマートフォンよりもさらに薄いモデルをラインアップに加える可能性がある。また、2025年には「Android」搭載の新しい折りたたみスマートフォンも登場する可能性が高い。2024年を彩った新型スマートフォンと同様に、2025年もAI機能がモバイル端末の大きなテーマとなるだろう。「Apple Intelligence」、「Galaxy AI」、そしてGoogle製「Pixel」のAI機能は、モバイルソフトウェアを待ち受ける大きな進化の序章にすぎないのかもしれない。
この他、プロセッサーやカメラ、ディスプレイに関しても、おなじみのアップグレードが期待される。では早速、2025年に登場しそうなスマートフォンを詳しく見ていこう。
2025年もAppleは4種類の新型iPhoneを発表するだろう。しかしThe InformationやBloombergの記事、アナリストのMing-Chi Kuo氏の投稿などによれば、次の「iPhone 17」シリーズでは、大型の「Plus」モデルが廃止され、新たに「iPhone 17 Slim」(仮称)が登場する可能性があるという。iPhone 17 Slimはスマートなデザインと高リフレッシュレートのディスプレイが特徴だが、背面カメラは1つのみ(標準的なiPhoneでは2つ)となるかもしれない。
ETNewsによると、iPhone 17シリーズは、全モデルにリフレッシュレートを上げてスクロールを滑らかにできるディスプレイが搭載される見込みだ。一方、MacRumorsはアナリストのJeff Pu氏の予測として、iPhone 17シリーズの全モデルに2400万画素のフロントカメラが搭載されると報じている。
2025年は手頃な価格が魅力の「iPhone SE」が復活を果たすかもしれない。MacRumorsによると、登場が見込まれる第4世代のiPhone SEは、「iPhone 14」風の広々としたディスプレイに加えて、Apple Intelligence、アクションボタン、4800万画素カメラを搭載するという。これが事実なら、同価格帯のAndroidスマートフォンと互角に戦える、リーズナブルでありながら今どきの機能も備えたiPhoneが登場することになる。しかも、今はiPhone 16シリーズと「iPhone 15 Pro/Pro Max」のユーザーしか使えないApple Intelligenceにも対応しているため、この新しいAI機能のユーザーがぐんと増えることになる。
Galaxy Sシリーズの発表イベントは、モバイルデバイスに対するサムスンの姿勢を明確に示す場となってきた。この流れは2025年も変わらないだろう。現行モデルのGalaxy S24シリーズは2024年1月に発表されたため、2025年も同じ頃に新モデルが発表される可能性が高い。
サムスンは2025年も通常モデル、「+」モデル、「Ultra」モデルを発表するとみられている。2020年に登場したGalaxy S20シリーズ以来、続いているパターンだ。新モデルには、Qualcommの新しいプロセッサー「Snapdragon 8 Elite」が採用される可能性が高い。著名リーカーのIce Universeによれば、Galaxy S25の基本モデルにはGalaxy S24と同じカメラセンサーが搭載されるという。
Galaxy S25シリーズに関して、現時点で明言できることは、サムスンの新しいユーザーインターフェース「One UI 7」を搭載する初の機種になるというものだ。サムスンのエグゼクティブバイスプレジデントで、フレームワーク研究開発チームを統括するSally Hyesoon Jeong氏は、10月に開催されたサムスンの開発者会議でこのアップデートに軽く触れ、「まったく新しい」ユーザーインターフェースデザインを導入すると語った。
しかし、さらに興味をそそられるのは、Appleと同様に、サムスンも次世代の主力スマートフォンにスリム版を用意しているといううわさだ。この「Galaxy S25 Slim」(仮称)は、2026年のGalaxy Sシリーズの主要ラインアップに加えるべきかどうかを探るため、数量限定で発売される可能性があるとETNewsは報じている。
サムスンは毎年夏に折りたたみスマートフォンの新作を発表してきた。このスケジュールは2025年も変わらないだろう。サムスンの次世代折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold7」については、まだほとんど情報がないが、Galaxy S25シリーズと同等の強力なプロセッサーが搭載されるとみられている。
サムスンが2025年も近年と同じアプローチをとるなら、カメラやデザイン面の改良もありそうだ。逆に、見送られる可能性が高いのは「Sペン」の統合だろう。サムスンのPatrick Chomet氏は米CNETのインタビューで、Sペン用の収納スペースを設けるためにバッテリー駆動時間、性能、デザインを犠牲にすることがあってはならないと語った。
サムスンは韓国向けの特別モデルとして、Galaxy Z Fold6の薄型モデルを発表しており、Display Supply Chain Consultantsの最高経営責任者(CEO)でアナリストのRoss Young氏は、こうした別モデルが2025年に発表されると主張している。
2025年夏にはGalaxy Z Fold7と合わせて、新世代の縦折り(クラムシェル型)スマートフォンも登場する見込みだ。Galaxy Z Flip7は、より大きく、高額なGalaxy Z Fold7と同様に、Galaxy S25シリーズと同じプロセッサーを搭載し、デザインも若干改良される可能性が高い。
ただし2025年はこれまでと異なり、2種類のGalaxy Z Flip7が発売される可能性がある。標準モデルと、価格を抑えた「Galaxy Z Flip7 FE(ファン・エディション)」だ。この情報の出所であるYoung氏は先日、Galaxy Z Flip7 FEが2025年に発売されるとXに投稿した。この投稿によれば、FE版のディスプレイは標準モデルと同じだが、カメラとプロセッサーは違うものになる可能性が高いという。
シャオミはすでに「Xiaomi 15」と「Xiaomi 15 Pro」を発表しているが、待ち望まれているのは「Xiaomi 15 Ultra」だ。前世代の「Xiaomi 14 Ultra」は、1インチの大型イメージセンサーのおかげで、米CNETのAndrew Lanxon記者も舌を巻く、素晴らしい撮影性能を実現した。
うわさによれば、この方向性はシャオミの次世代モデルにも引き継がれるという。Ice Universeの名で知られる著名リーカーはXへの投稿で、Xiaomi 15 Ultraには2億画素のセンサーが搭載される可能性が高いとした。Xiaomi 14 Ultraのメインカメラは5000万画素であることを考えると、大幅なアップグレードだ。Xiaomi 15とXiaomi 15 ProにはSnapdragon 8 Eliteが搭載されているため、Xiaomi 15 Ultraにも同じプロセッサーが搭載される可能性が高い。
2025年には、Googleの低価格帯スマートフォン「Pixel a」シリーズが再び進化するとみられている。Android Headlinesによると、次世代Pixel aシリーズはディスプレイが若干大きくなるほか(現在の6.1インチから6.3インチへ)、5000mAhの大容量バッテリー、4800万画素のメインカメラ(Pixel 8aのカメラは6400万画素なので、解像度は劣る)、Googleの純正プロセッサー「Tensor G4」を搭載するという。このリークが正しければ、アップグレードの中身は想定の範囲内だが、Pixel 8a自体が価格に見合った価値を提供していたことを考えれば問題ではない。
興味深いのは、Pixel 9aが想定よりも早い、3月に発表される可能性があると報じられていることだ。Pixel aシリーズはこれまで、5月の年次開発者会議「Google I/O」か夏に発表されてきたが、このパターンを破ることになる。このうわさが事実なら、まもなく登場するiPhone SE 4に対抗するためかもしれない。Appleは通常3月か4月にSEシリーズを発表しているからだ。
リーク情報が正しければ、次のPixel 10シリーズにはAI機能がふんだんに盛り込まれることになるだろう。Pixel 8とPixel 9でGoogleが示した方向性を考えれば意外ではない。
Pixel 10シリーズには、次世代のGoogle純正プロセッサー「Tensor G5」が搭載される可能性が高い。また、生成AIを活用した新しい動画編集機能や、「Speak-to-Tweak」「Sketch-to-Image」といった大規模言語モデルをベースにした写真編集ツールも搭載されるとみられている。情報の発信源であるAndroid Authorityは、Googleのチップ部門からの信頼できるリーク文書を入手したと主張している。
では、Pixel 10シリーズの標準モデルとProモデルはどう違うのか。Pixel 9シリーズと同様に、Proモデルの方がメモリー容量が大きく、専用の望遠レンズが搭載される可能性も高い。Android Authorityの記事によれば、「Galaxy S24 Ultra」に搭載されている100倍ズームのような目玉機能が追加される可能性もあるという。
Googleの折りたたみスマートフォンは、2024年に登場した「Pixel 9 Pro Fold」によって大きく進歩した。この第2世代の折りたたみスマートフォンは、2023年に発売された初代「Pixel Fold」から飛躍的な進歩を遂げ、好評を博した。もしGoogleがPixel 9 Pro Foldの路線を継続するつもりなら、3世代目はPixel 10 Proをブック型の折りたたみデザインに落とし込んだものとなるだろう。つまり、Tensor G5チップを搭載し、Pixel 10シリーズで採用される多くのAI新機能を備えたものになる可能性が高い。
9to5Googleなどが報じたように、OnePlus 13はすでに中国で正式発表されており、グローバル版もこれに近いものになるだろう。中国向けモデルはQualcommの新しいSnapdragon 8 Eliteプロセッサーを搭載し、100Wの有線充電に対応する。デザインはOnePlus 12からアップデートされ、よりフラットなエッジと6.82インチの画面を備えた新鮮なものとなっている。中国向けモデルはIP69の防塵・防水仕様で、一般的なスマートフォンのIP68よりも防水性が高い。
OnePlus初の折りたたみスマートフォン「OnePlus Open」は2023年に登場し、魅力的なハードウェア、高速充電、バッテリー持続時間の長さが好評だった。同社は2024年に新バージョンをリリースしておらず、2025年に進展があるかは不明だ。中国のニュースサイトLeifengの報道をきっかけに、OnePlusや姉妹ブランドOPPOが大型折りたたみスマートフォンの生産を停止しているのではないかとの憶測が生じ、9to5GoogleやAndroid Centralなどが報じている。もし事実であれば、サムスン、Google、ファーウェイ、モトローラなどの企業が折りたたみ式スマートフォン市場でシェアを拡大する大きな機会となることは間違いない。
モトローラの2024年版「razr+」(日本では「razr 50 ultra」)は、米CNETが同年にテストした中で特に印象的なデバイスの1つであり、その楽しいデザイン、カメラのアップグレード、大型カバー画面により、エディターズ・チョイス賞を受賞した。モトローラはrazrの今後の計画について明らかにしていないが、2023年と2024年に新モデルを発売したことから、今後も毎年更新する可能性がある。
次世代のrazr(日本では「razr 50」)とrazr+に何が期待できるのかは分からない。しかし、モトローラのこれまでの戦略から判断すると、新しいプロセッサー、カメラの改良、カバー画面の最適化がなされる可能性が高そうだ。
全体的に2025年の新型スマートフォンは、2024年モデルに継続的な改善を加えたものとなり、それには新しいプロセッサー、AI機能の拡充、刷新されたデザインなどが含まれると予想される。Appleとサムスンは例外となるかもしれない。両社は、よりスリムな新型モデルでラインナップを一新する計画だとうわさされている。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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