Googleは2025年、「Android」のメジャーアップデートの公開スケジュールを大きく変更する。「Android 16」と命名されるであろう次期バージョンは、リリースが従来の第3四半期ではなく第2四半期になる。これにより、アプリ開発者やスマートフォン関連企業は、新たなOSに対応した製品をより迅速に準備できるようになるはずだ。
これはいくつかの理由で大きな変化だが、最も重要なのは、Android 16が2024年の「Android 15」よりも、1年の早い時期にスマートフォンに搭載される可能性が高いということだ。Android 15は、例年通りGoogleの新型「Pixel」シリーズと同時にではなく、その後にリリースされた。GoogleがAndroidのメジャーリリースを第2四半期に前倒しする理由の一部は、メーカーによって時期は異なるものの、新型デバイスの発売時期と近づけるためだ。
しかし、大局的に見ればこの変更は、AIの統合が進んだ新しいアプリの台頭を促す可能性がある。開発者がGoogleによる最新の機械学習やAIのリソースにさらに早くアクセスできるようになるためだ。
「私たちは、スマートフォンにできることやスマートフォンとの関わり方を全面的に再考する、一世一代の瞬間を迎えている」と、2024年初めからGoogleでAndroidプラットフォーム担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めているSeang Chau氏は、米CNETのインタビューで語った。「スマートフォンをめぐる非常にエキサイティングな時期であり、私たちはスマートフォンで次に何をしたいのかについて、いろいろ考えてきた」
メジャーリリースを前倒しするほか、Googleは2025年第4四半期にマイナーアップデートを展開する予定だ。これには、機能アップデート、最適化、バグ修正が含まれる。これは、従来のリリーススケジュールからすると注目に値する変更だが、同社がより頻繁にAndroidに機能を追加するため、アップデートの展開方法に加えようとしている複数の変更の1つにすぎない。
Androidはオープンソースであるため、仕様やメーカーの異なるさまざまなデバイスで動作できる必要がある。つまり、新しいバージョンを一斉に展開することは、不可能ではないにしても困難だ。Googleが約7年前に開始した「Project Treble」は、チップメーカーがリリース前の最適化に必要なコードの一部にアクセスしやすくするもので、アップデートプロセスを加速する取り組みの一例だ。
Androidを2段階でリリースするというGoogleの新たなアプローチを含め、これらの変化に共通するテーマは、Androidの新機能をより迅速に提供することだ。スマートフォンのソフトウェアにおける生成AIモデルの役割が拡大している今、この野心的な取り組みはかつてないほど重要になっている。GoogleはAndroid(およびその上で動作するアプリ)が、信頼性の高いパフォーマンスを維持しながら、生成AIの急速なペースに追いつけるようにしようとしている。
「AIの世界では今、非常に速いスピードで物事が動いている」とChau氏は言う。「だからこそ、特に機械学習とAIの分野で(APIを)確実に提供し、開発者らがこれらの機能をより速く開発してユーザーに提供できるようにしたい」
また、Androidのソフトウェア開発キット(SDK)を早期にリリースすることで、Googleはアプリ開発者からのフィードバックをより早く収集でき、開発者が求める特定のユースケースに対応するようモデルを微調整できる。これにより、アプリが生成AIを新たな方法で活用し、サービスをより便利にできるかもしれない。Chau氏は、ゲーム開発者が会話の台本を書くのではなく、AIを使ってキャラクターに会話をさせるという将来的な例を挙げている。コンテンツモデレーションにAIを活用することも考えられる。
Chau氏は、Googleやサムスン、Appleなどの企業がすでにスマートフォン向けに開発した機能(文章の書き直しや要約など)を越えた、生成AIの新たなユースケースを見つける上で、アプリ開発者が重要な役割を果たすと考えている。
同氏は文章の要約などのAI機能について、「このようなことにも、ある程度は利用価値がある」と語った。「しかし、おそらく他にも、開発者がアプリで利用したいと考えるような、私たちがまだ思い付いていないことが多数あるはずだ」
More frequent Android SDK releases: faster innovation, higher quality and more polishこの記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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