「ロード・オブ・ザ・リング」の主人公フロドは「滅びの山」の火に「一つの指輪」を投げ捨てることができたが、サムスンの新しい「Galaxy Ring」などのスマートリングでは、そうはいかない。399.99ドル(約5万8000円)を投じて購入したGalaxy Ringも、数年間定期的に使った後には「Ouraリング」など他のスマートリングと同様に、増え続ける電子廃棄物問題の一因となるだろう。
これは、Galaxy Ringを入手した修理専門会社iFixitが下した結論だ。
「Galaxy Ring、そして同様のスマートリングは、大きな制約を抱えている」とiFixitは分解レポートの中で述べた。「サムスンが最近発売した、『AirPods』スタイルの『Galaxy Buds3』と同じく、100%使い捨てだ。その原因は何か?リチウムイオン電池だ」
問題はバッテリーであり、その有限の寿命だ。同社によると、消費者向けのバッテリーであれば通常は少なくとも400回の充電が可能で、それを過ぎると大抵は寿命が尽きていくという。
バッテリーを交換できなければデバイスも使えなくなり、電子廃棄物の山に放り込まれる。
そして、その山はどんどん大きくなっている。
国連の「The global E-waste Monitor 2024」によると、2022年には約6200万トンの電子廃棄物が排出され、2010年から82%増加した。2030年にはさらに32%増加し、8200万トンに達する見込みだ。
リサイクルが解決策だと考えているだろうか。国連の報告書によると、電子廃棄物が生み出される速度は、リサイクルの速度の5倍だ。
スマートリングやイヤホンなどの使い捨てガジェットが、この問題に拍車をかけている。
iFixitは、この種のテクノロジーを厳しく批判している。
「シンプルであること自体に問題はないが、修理できないことには問題がある。Galaxy Buds3と同様に、Galaxy Ringも2年以上は持たない使い捨てのテクノロジーアクセサリーだ」
結論は簡潔だ。「このような使い捨てのテクノロジーの購入はお勧めできない」(iFixit)
Samsung’s Galaxy Ring Revealed(iFixit)この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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