サムスンの「Galaxy S24 Ultra」、AI&カメラの実力は--4月11日に国内発売

 サムスンは4月11日から、「Galaxy S24」「Galaxy S24 Ultra」を国内向けに発売する。NTTドコモや「au」が取り扱うほか、同日からオープンマーケット向けの発売も開始する。

 いずれも4月3日から予約を受け付け、「サムスンオンラインショップ」の直販価格(以降、価格は全て税込)は、「Galaxy S24」が12万4700円~、「Galaxy S24 Ultra」が18万9700円~。ひとあし早く、グローバル版のGalaxy S24 Ultraを試す機会を得たのでレポートしたい。

  1. シリーズ初のチタンフレーム採用
  2. 最大の特徴はAI--音声、画像などで活躍
  3. スペックやカメラの実力は
  4. AI機能は従来機種にも提供予定

シリーズ初のチタンフレーム採用

 Galaxy S24 Ultraは6.8型QHD+(1440×3120)の有機ELディスプレイを搭載。ディスプレイのリフレッシュレートは120Hz、最大輝度は2600ニトをサポートしている。Galaxyシリーズでは初のチタンフレームを使用し、全体に丸みを抑えたスクエアなデザインを採用している。チタン=軽量というイメージがあるが、サイズだけでなく重量も、前モデルの「Galaxy S23 Ultra」から大きく変わっていない。

生体認証は顔認証と画面内指紋認証を備え、サイズは高さ約162mm×幅79mm×奥行き8.6mm、重さは約233g
生体認証は顔認証と画面内指紋認証を備え、サイズは高さ約162mm×幅79mm×奥行き8.6mm、重さは約233g
背面には4つのカメラとセンサーを搭載する。一見前モデルと同じに見えるが、望遠カメラの構成が変化している
背面には4つのカメラとセンサーを搭載する。一見前モデルと同じに見えるが、望遠カメラの構成が変化している
つや消しのチタニウムフレームを採用。側面の丸みが抑えられていて、前モデルよりもフラットな印象だ
つや消しのチタニウムフレームを採用。側面の丸みが抑えられていて、前モデルよりもフラットな印象だ
底部にはSペンを収納するほか、USB type-Cコネクタ、SIMカードスロットが配置されている
底部にはSペンを収納するほか、USB type-Cコネクタ、SIMカードスロットが配置されている
ペンを取り出してすぐメモがとれるのは、「Galaxy Note」から引き継いだUltraの特徴だ
ペンを取り出してすぐメモがとれるのは、「Galaxy Note」から引き継いだUltraの特徴だ
ディスプレイはかなり明るく、まだ春先とはいえ、ピーカンの太陽光の下でも地図の細かい文字をはっきり読み取ることができた
ディスプレイはかなり明るく、まだ春先とはいえ、ピーカンの太陽光の下でも地図の細かい文字をはっきり読み取ることができた

最大の特徴はAI--音声、画像などで活躍

 サムスンはGalaxy S24シリーズに、「Galaxy AI is here」というキャッチコピーをつけている。そのコピーのとおり、Galaxy S24 Ultraの最大の特徴は、AIを用いたさまざまな機能が利用できる点にある。たとえば、通話をリアルタイムかつ双方向に通訳してくれる機能。日本語を含む13言語に対応するオンデバイスAIで、言葉がわからなくても自動通訳を介して、電話で現地のレストランなどを予約できるという。また、「LINE」などよく使うチャットでも、読み書きを適時、自動翻訳がサポートする。

 ほかにも、ICレコーダーで録音した音声の自動文字起こしや、ウェブページを簡単に翻訳や要約できる機能を提供。独自アプリの「Samsung Notes」では、付属の専用スタイラスペン「Sペン」による手書き文字のテキスト化や翻訳、スペルの自動訂正、文章の要約や自動整形などが可能。目的にあわせて文章のトンマナを変えるほか、SNS投稿用のハッシュタグも自動生成してくれる。

 
 
Samsung Notesでは文章の自動整形をワンタップで簡単にできる
Samsung Notesでは文章の自動整形をワンタップで簡単にできる
「カジュアル」「ビジネス」「SNS」などにあわせて、文章のトンマナを変更可能
「カジュアル」「ビジネス」「SNS」などにあわせて、文章のトンマナを変更可能
「プロフェッショナル」に変更
「プロフェッショナル」に変更
「SNS」に変更
「SNS」に変更

 GoogleがAndroidスマートフォンに提供する新機能、「かこって検索」にもいち早く対応。Sペンを使って写真などをさっと囲うだけで、そこに含まれるものを簡単に検索できる。

円を描いて選択する
円を描いて選択する
選択した中に含まれるアイテムやファッション、風景、文字が含まれていればその文字についても、文字通りかこうだけで検索が可能だ
選択した中に含まれるアイテムやファッション、風景、文字が含まれていればその文字についても、文字通りかこうだけで検索が可能だ

スペックやカメラの実力は

 ストレスのないオンデバイスでのAI処理を可能にしているのが、フラッグシップモデルならではの高い基本性能だ。Galaxy S24 UltraはSoCに「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」を搭載。「for Galaxy」という名前が付いているのは、クアルコム標準のSoCから、CPUやGPUなどのクロック周波数を高めた特別仕様であることを表している。その性能をフルに発揮できるように、ベイパーチャンバーと呼ばれる冷却用の部品を前モデルから大型化し、熱を効率的に逃せる。実際に、試用中には長時間カメラを起動することもあったが、多少の温度の上昇は感じられるという程度だった。

 メモリーは12GBで、ストレージは256GB、512GB、1TBの3モデルを展開するが、外部メモリーは非対応。なお、Galaxy S24 Ultraのカラーは、ドコモ版とオープンマーケット版が「チタニウムグレー」「チタニウムバイオレット」「チタニウムブラック」の3色。au版はチタニウムグレーとチタニウムブラックの2色が販売されるが、512GB、1TBはいずれもチタニウムブラックだけとなっている。

 このほか、バッテリーは5000mAhで、ワイヤレス充電にも対応。IP68規格の防水・防じん性能を備える。通信は5G(Sub-6、ミリ波)、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3、NFCとおサイフケータイのほか、もちろんeSIMもサポートしている。

 望遠カメラは光学5倍に変更され、撮影がしやすくなった。背面には約2億画素の広角(F値1.7)、約1200万画素の超広角(F値2.2)、約5000万画素の光学5倍望遠(F値3.4)、約1000万画素の光学3倍望遠(F値2.4)の4つのカメラを搭載。また前面には約1200万画素(F値2.2)のカメラを搭載する。前モデルでは望遠が光学10倍に対応していたが、それを光学5倍とする代わりに画素数をアップし、ピクセルビニングによる高画質化。10倍はデジタルズームとなるが、前モデルと比べても十分にきれいという印象だ。3倍、5倍、10倍、ワンタップで適度にズームアップできるのも使いやすい。なお最大でデジタル100倍までサポートしている。

背面には4つのカメラに加えて、レーザーAF用のセンサーを搭載。前モデルの約1000万画素の光学10倍望遠が、約5000万画素の光学5倍望遠に変更された
背面には4つのカメラに加えて、レーザーAF用のセンサーを搭載。前モデルの約1000万画素の光学10倍望遠が、約5000万画素の光学5倍望遠に変更された
風景-6倍
風景-6倍
風景1倍
風景1倍
風景3倍
風景3倍
風景5倍
風景5倍
風景10倍
風景10倍
風景30倍
風景30倍
風景100倍。デジタル100倍はさすがに実用的とは言い難いが、文字がしっかり読み取れるレベル
風景100倍。デジタル100倍はさすがに実用的とは言い難いが、文字がしっかり読み取れるレベル
花3倍
花3倍
花5倍
花5倍
花10倍。光学5倍は、光学3倍と変わらない印象。デジタル10倍も日中はかなりきれいに撮れる
花10倍。光学5倍は、光学3倍と変わらない印象。デジタル10倍も日中はかなりきれいに撮れる
ナイトモード(1倍)で撮影
ナイトモード(1倍)で撮影
ナイト3倍
ナイト3倍
ナイト5倍
ナイト5倍
ナイト10倍。ナイトモードでは、5倍は光学、10倍はデジタルズームで画質は落ちるものの、十分な表現に思える
ナイト10倍。ナイトモードでは、5倍は光学、10倍はデジタルズームで画質は落ちるものの、十分な表現に思える
蛍光灯下での食事モード
蛍光灯下での食事モード

 定評のあるナイトモードや食事モードもさすがのクオリティで、特に夜景は5倍ズームでも明るくディテールまで美しく撮れ、さすがはGalaxyのフラッグシップモデルといったところ。動画は8K30fpsでの撮影が可能となっているほか、暗所での撮影や手ブレ補正も強化されている。

 さらに撮影後の編集にもAIが活用できる。「Google Pixel」シリーズで「編集マジック」の名前で採用されている機能と、ほぼ同じことがGalaxy S24 Ultraでも可能。写り込んだ通行人の削除、ガラス反射を低減する機能は以前からあったが、さらに生成AIを用いて背景を簡単に書き足せる。

人物を切り取って配置を変えるといった編集が簡単にできる
人物を切り取って配置を変えるといった編集が簡単にできる
人物を移動させたところ
人物を移動させたところ

 たとえば筆者は写真の水平をとるのが苦手で、海に向かって夕日を撮影したら水平線が斜めになっていた……なんてことが頻繁にある。トリミングをすると、せっかくの雄大な風景が狭く切り取られてしまうのが悩みの種だったが、Galaxy S24 Ultraでは足りない分の背景を生成してくれるので、切り取らずに済むといった具合だ。

水平がずれても、周囲の足りない部分を生成AIが補完できる
水平がずれても、周囲の足りない部分を生成AIが補完できる
トリミングしなくてもなんとかなる
トリミングしなくてもなんとかなる

AI機能は従来機種にも提供予定

 サムスンによれば、「Galaxy AI」と名付けられたこれらのAI機能は、「Galaxy S23」シリーズなどの現行モデルにも、アップデートで追加されるとのこと。どの程度の機能が使えるようになるのかは、4月中旬以降に予定されているアップデートを待ちたいが、現行モデルでも同様の機能が利用できるのはうれしい。

 一方で、アップデート可能な現行モデルのユーザーが、あえてGalaxy S24 Ultraを選ぶ理由は何かと問われたら、進化したカメラと一世代分向上した処理性能という答えになる。実際にはアップデート後に比較してみないとわからないことも多いものの、オンデバイスAIの処理時間などで違いが出る可能性はある。Galaxy AIをベストな環境で享受したいなら、今のところGalaxy S24シリーズがその最適解なのは間違いないだろう。

 なお、サムスンはGalaxy S24シリーズに対して、7世代のOSアップデートと7年間のセキュリティアップデートを提供するとしている。長く安心して使える製品になりそうなことも、最後に付け加えておきたい。

 ドコモ、auのほか、オープンマーケット版を販売するサムスンの直販サイトなどでは、Galaxy S24シリーズの発売に合わせて、さまざまなキャンペーンも展開される。またサムスンでは、東京、大阪、名古屋、福岡に、期間限定の「Galaxy POP-UP STUDIO」も開設予定だ。もし購入を検討しているなら、店頭などで実際にGalaxy AIを試してみて、各種キャンペーンが利用できる間に入手するのが良さそうだ。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]