さまざまなメーカーから膨大な種類のスマートフォンが提供されているというのは、本来、機種選びを簡単にしてくれるはずだ。だが、時にそれは、混乱を招く原因にもなる。それは、最高品質の高性能なスマートフォンを探している場合でも、「Google Pixel 7a」のような手ごろな価格のスマートフォンを探している場合でも同じだ。市場にある優れたデバイスは、価格だけでなく、カメラのスペックや画面サイズ、ストレージ容量もそれぞれ異なる。
一般に、性能は価格に比例する。最新で、最高のテクノロジーは通常、価格も高い。フラッグシップモデルには、最高のカメラや超高性能のプロセッサーが搭載されており、折りたたみ式ディスプレイなどの最先端テクノロジーが採用されていることもある。価格が高いので、とにかく最先端のテクノロジーをポケットに入れておきたい人であれば、こうした機種を検討してもいいだろう。
しかし、誰もがそのような最高峰のテクノロジーを必要としているわけではない。また、そのような機種を購入するには、通常、1000ドル(約15万1000円)以上かかるが、それほどの大金を投じることに抵抗を覚える人もいるだろう。幸いなことに、ミッドレンジスマートフォンの市場は、各社がしのぎを削る最も激しい戦場の1つとなっており、高性能にもかかわらず価格を抑えた機種もある。ワイヤレス充電や複数レンズのカメラなどの機能は、かつてはフラッグシップスマートフォンに限定されていたが、今では、ミッドレンジのスマートフォンでも当たり前になっている。
低価格のスマートフォンでも、カメラの品質もしっかりしており、インターネットの閲覧や「WhatsApp」「Instagram」など、日常的な範囲で利用する分には性能も十分だ。
5Gは、外出時に超高速のモバイルデータ速度を約束する最新の規格である。利用できない場所もまだあるが、5G利用可能エリアはかなり拡大しているので、2024年にスマートフォンを購入する場合は、5G対応機種に絶対に目を向けるべきだ。そして、それは難しいことではない。トップエンドのフラッグシップモデルからエントリーレベルの低価格モデルまで、ほぼすべてのスマートフォンが5Gに対応しているからだ。
今、4G対応機種の購入を検討すべきなのは、中古市場をチェックしていて、今後数年は使えそうな旧世代モデルのお買い得品を見つけたときくらいだ。
総じてスマートフォンのサイズは、ここ何年かで着実に大きくなっており、「iPhone 15 Pro Max」は6.69インチ、Galaxy S24 Ultraは6.8インチまで大型化している。小型のスマートフォンはそれほど見かけなくなったが、ポケットいっぱいにぎゅうぎゅうになるような巨大な画面は欲しくないという人が検討すべき選択肢もいくつかある。
Appleが「iPhone mini」シリーズの販売を終了したため、2022年モデルの「iPhone SE」が、現在購入できる最も小型のiPhoneとなっている。Androidスマートフォンでは、6.1インチディスプレイを搭載する「Google Pixel 7a」が比較的小型のスマートフォンの中では優秀な部類に入るが、それでも「超小型」とは言えない。
最近のスマートフォンではカメラ機能が大きなセールスポイントとなっており、メーカー各社も画素数やレンズの数など、より大きくて刺激的な数字を常に追い求めている。現在では、標準レンズ、超広角レンズ、望遠レンズの3つのレンズで構成される背面カメラが一般的になっており、低価格のスマートフォンにも複数のカメラが搭載されている。
レンズが増えると、外出時の撮影の選択肢が増えるので、これは素晴らしいことだ。ただし、マルチレンズカメラならどれでもいいというわけではない。プロセッサーの性能と同様、通常は、お金をかければかけるほど、得られるものは良くなる。市場で最高峰のカメラを搭載しているのも、基本的には、最も高価なフラッグシップモデルだ。
注目すべきは、(デジタルズームではなく)光学ズームや、暗所での撮影画質を向上させるナイトモード、光学手ぶれ補正などの機能だ。これらの機能は明確に説明されていない場合もある。また、スペックだけを見てカメラの性能を判断することはできない。スマートフォンの写真撮影性能を本当に重視しているのなら、実際に購入する前に、レビューに目を通して、カメラの性能を確認してほしい。
低価格モデルから高性能のフラッグシップモデルまで、ほとんどのスマートフォンは1回の充電でほぼ1日使用できる。大型のスマートフォンはバッテリーの容量も大きいかもしれないが、画面も大きく、また多くの場合、プロセッサーの性能も高いので、その分バッテリーの消費も速い。1日以上使用できる機種はほとんどないだろう。バッテリー持続時間に関しては、次のような点に注意しよう。
トップエンドのスマートフォンには、処理能力の高いプロセッサーと12GB以上のRAMが搭載されている。そのため、どんなタスクでも楽々と実行できるが、高価なフラッグシップモデルを購入しなくても、優れた性能を得ることは可能だ。
そこそこのミッドレンジスマートフォンであれば、大抵は、日常的なニーズにすべて対応できるだけの性能が備わっている。「Google Play」ストアで提供されているゲームもほぼすべてプレイできるし、「Snapseed」や「Adobe Lightroom」などのアプリで高解像度の写真を編集することも可能だ。ほとんどのミッドレンジのスマートフォンは、ほぼどんなタスクでも処理できる。
最も低価格帯のスマートフォンを使用すると、ゲームなどの速度が低下することに気づくはずだ。高負荷の3Dゲームをプレイすると、動きがカクついたり、突然終了したりするかもしれない。とはいえ、電子メールの送信やSpotifyの再生、Instagramの閲覧といった基本的な操作は問題なく処理できるはずだ。
低価格のものも含めて、ほとんどのスマートフォンには、少なくとも64GBのストレージが搭載されており、そのうちの10GBはプリインストールされたアプリとスマートフォンのOSによって占有されていることもある。動画を撮影するつもりがなく、ゲームもしない人であれば64GBでも十分かもしれないが、そうでない場合は、最低でも128GBは見ておくと安全だろう。
ハイエンドのスマートフォン、特に高品質の4K動画を録画できるスマートフォンの場合、提供される容量は256GB以上だ。これだけの容量があれば、古いファイルを削除すべきかどうか悩む必要はほとんどないだろう。
microSDカード対応のスマートフォンの場合は、話が変わってくる。近ごろでは、32GB(または、それ以上)のmicroSDカードを非常に安価で購入でき、microSDカードをスマートフォンに挿入すれば、利用できるストレージの量が劇的に増えるからだ。残念なことに、最近のスマートフォンでは、拡張可能なストレージは非常に珍しい機能となっている。
以下に挙げる機能の多くは、今やさまざまな価格帯のスマートフォンで当たり前になっており、購入の際に確認するべきポイントだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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