KDDIは3月14日、STYLY、monoAI technology、REALITY XR cloudと同日に、メタバースアライアンス「オープンメタバースネットワーク」を発足したと発表した。
複数のメタバースプラットフォームが連携し、企業・自治体がメタバースの事業活用を検討する際のコンサルティングなどを行なう。4社が提供するメタバースプラットフォームから、各企業のニーズにあわせた最適なプラットフォームを提案するという。
拡大するメタバース市場において、特に企業の利用ニーズが高まっているという。これまでのマーケティングやプロモーションとしての短期的な活用に加え、自社メディアや商品カタログのリッチ化など、継続的に自社の魅力やサービス内容を伝えるための新たな顧客タッチポイントとして、バーチャルならではの新たな体験価値創造が期待されている。
KDDI 事業創造本部 Web3推進部長を務める舘林俊平氏は、「当初は、メタバース構築のふわっとしたニーズが多かったが、最近は新たな顧客接点として継続的に運営するオウンドメディアとしての活用が増えてきた」と話す。実際にKDDIの売上受注額を2022年度と比較した場合、約5倍ほど伸長しており、メタバースの需要が企業・自治体に幅広く拡大していると説明する。
一方で、「多数存在するメタバースプラットフォームの中で、特色や仕様を踏まえてどこでどのような事業を展開すべきか分からない」「既にメタバースを利用していても、最適な活用方法がわからない」など、企業担当者には共通の課題があることも語った。
オープンメタバースネットワークでは、単独のメタバース利用や、複数のメタバースを連携させる、同時に展開するなど、さまざまな立案が可能。リアル空間を取り入れた立体的な施策も視野にあるという。プラットフォーム別のメタバース利用者にあわせたイベントの企画や複数利用ならではの連携企画などから、メタバースの空間構築、CG・3Dモデルのコンテンツ制作など、スムーズな導入や事業課題の解決に向けたコンサルティングからイベント企画、空間コンテンツ制作までを一気通貫で提供できるとしている。
なお、オープンメタバースネットワークでは、メタバース・Web3サービスのプラットフォーム「αU」(アルファユー)を提供するKDDIは、総合窓口となる事務局のほか、コンサルティング、メタバースやデジタルツインの制作を担う。また、「STYLY」を提供するSTYLYは現実の都市空間や生活空間へのXRコンテンツの制作・配信、「XR CLOUD」を提供するmonoAI technologyはウェブメタバースの空間制作、「REALITY」を提供するREALITY XR cloudはメタバースイベント空間制作、ユーザー連動キャンペーン制作と、それぞれのメタバースプラットフォームの特徴を生かした役割を担う。
舘林氏は、「4社が運営するプラットフォームの累計参加者数は1億人を超える。さまざまな企業・自治体がメタバースを構築する際、真っ先に名前が上がる4社」と、業界内での4社の立ち位置を説明。各社が持つプラットフォームの特徴を掛け合わせ、国内だけでなくグローバルへの展開を目指すとした。
また、互いのプラットフォームにおけるアバターの行き来や、ID連携を実現するオープンメタバースなどの構想を明かしつつ、「プラットフォームの役割や担い手はどんどん増えるはず。4社で協議しながらではあるが、参加企業は増やしていきたい」(舘林氏)と、参画企業は募っていくと話した。
オープンメタバースネットワークのショーケースイベントとして3月15~31日の期間、各プラットフォームが連携して同じコンセプト空間でエンタメイベントを楽しめる「Sakura Virtual Fes 2024」を開催する。
ロックバンドやK-POPアーティストの音楽ライブ、芸人・声優によるトークイベントなどに、αU、STYLY、REALITY、XR CLOUDと、「cluster」(バーチャル渋谷・バーチャル大阪)の5つのプラットフォームから参加可能だ。
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