第2公演からは少し間が空いた形となったが、TVアニメ3期の放映を受けてということもあってか、そのTVアニメ3期にスポットをあてつつ、ウマ娘の歴史を感じられるものとなっていた。とかくウマ娘の知名度が飛躍的に向上したのは、ゲームリリースからと感じているが、それ以前からもプロジェクトとしての展開が行われており、紡いできたものがあったからこそ今があることを示すようなステージとも思えたところがある。そして「NEW GATE」と題した第4公演は“その先”が見られるのではないか、という期待が膨らむような公演となっていた。
また余談ではあるが、筆者個人としても印象的な場面がいろいろとある。まず気になるウマ娘がホッコータルマエということを踏まえて見ると、トレードマークと言える後頭部を覆うぐらいの大きめなベレー帽を菊池さんも着用して登場し、ホッコータルマエは苫小牧の魅力を伝えるために歌と走りを頑張る“ロコドル”(ローカルアイドル)なウマ娘であるなかで、DAY1のMCパート「勝利をこの手に!かっこよさ選手権」におけるチームご本人在籍のメンバーとして参加した菊池さんは、ポーズを決めるまでに“優勝は”“とまこまーい”と、しっかりと苫小牧アピールを行っていたこととか、「Dance 2 Endless Beat」において羽根扇子を手にトロッコに乗って歌っている菊池さんが“お立ち台で楽しそうなアイドルのタルマエ感”があったこととか、「Hat on your Head!」ではスタイリッシュなところを見せつつも時折笑顔を見せるところにアイドル感があったとかあるのだが、特に印象的……というよりも、この先見てみたい願望を感じるステージがあった。それはDAY1の「Ms. VICTORIA」だ。
前述のようにチャンピオンズミーティングに結びついている楽曲であり、レースにおいて勝利すること、そしてセンターに立つことがいかに大切なことかを実感する楽曲でもある。ステージ上段でせり上がった高い位置で歌う菊池さんの笑顔あふれる姿もホッコータルマエのアイドルらしさを感じさせたところもあったがゆえに、いつが一番高いセンターポジションでそれを見たいとも思わせるような光景だった。
そして、お気に入りのウマ娘がキタサンブラックであることを踏まえても、印象的なところがある。キタサンブラックは、お祭りが大好きな元気で明るい人情派ウマ娘。これまでも矢野さんがステージで見せていた元気いっぱいで躍動感のあるパフォーマンスは、いたるところで発揮。何よりこの公演ではDAY1とDAY2を通じて、矢野さんが全体でのセンターを担っていたこともあり、歌でもトークでもけん引する姿に、頼もしさを覚えるものとなっていた。さらに、ウマ娘におけるサトノダイヤモンドは、“キタサト”と称されるぐらいに、キタサンブラックの幼なじみとして描かれている。TVアニメ3期でもキタサトが物語りの中心ということもあってか、立花さんも多くの場面で矢野さんの隣に立ち、パフォーマンスやトークでけん引している姿も目を引いていた。
それだけに至る所で見せ場はあったのだが、やはりDAY1におけるTVアニメ3期をテーマにしたパートが最も印象的なところ。パート最初の「アコガレChallenge Dash!!」では大きな動きや跳ねるようなステップで元気あふれる姿を表現すれば、最後の「ソシテミンナノ」で矢野さんが見せたダンサーばりのソロダンスパフォーマンスは、激走するキタサンブラックの姿や明坂さんの実況も相まって、鳥肌ものと言えるもの。なかでも心に残る場面となったのは、ソロ曲の「ロストシャイン」と「空のほほえみ方」の2曲だ。
「ロストシャイン」は第1話において、ドゥラメンテに惨敗を喫したキタサンブラックのレースシーンからエンディングで流れた楽曲。後のシーンでも、憧れの存在であるトウカイテイオーにはなれないかもしれないという気持ちを抱く場面もあり、その心情を描いたような曲となっている。ステージでは、暗闇にスポットライトのみというステージで矢野さんが歌い進める。映像も終始モノクロ調で、終盤では悲しみを表現するような雨が降る演出もあるなかで、キタサンブラックの挫折を表現。絶望や悲しみ、悔しさといった感情を表情と歌声で伝えていく。誰も寄せ付けない、近寄れないというぐらいに迫真のもので、芝居さながらの渾身のステージは目が離せないものであったと同時に、見守るしかできないといった感情も覚えるものとなっていた。
「空のほほえみ方」は、サトノダイヤモンドのレースを視察し、固い決意を目の当たりにするシーンや、猛特訓を乗り越えた第4話のエンディングに流れる楽曲で、後のシーンでは自信を持ち始め走りを取り戻す場面も描かれている。ステージでは「ロストシャイン」とは一転してライトに照らされ、光に包まれたような背景で矢野さんがステージに立つ。
結願のしまい華衣装はキタサンブラックにお似合いと感じていたなかでも、再現した衣装で登場した矢野さんにも同じ間奏を持ったなかで、明るく穏やかな気持ちになれるバラードソングで、歌詞にあわせて笑顔を見せながら感情豊かに、そしてまっすぐな目で歌声を響かせる。雨が降っていた光景とは対称的な、光が下から上へと浮き上がるような映像演出も目を引いたところ。何より、キタサンブラックのキービジュアルになっている、手を開いたポーズとともに見せた満面の笑みは、涙腺を刺激するもの。応援を受けみんなを笑顔にしたいというキタサンブラックの思いが存分伝わるステージと思えた次第だ。
なお本公演は、「ABEMA PPV ONLINE LIVE」ならびに「イープラス Streaming+」にて見逃し(アーカイブ)配信を期間限定で実施。ABEMA PPV ONLINE LIVEでは通常視聴チケットのほか、マルチアングル付き視聴チケットも販売している。配信期間はDAY1が2月17日 23時59分まで(販売は2月17日20時まで)、DAY2が2月18日23時59分まで(販売は2月18日20時まで)。料金などの詳細は、5thイベント特設サイト内、第3公演の配信情報に記載されている。
今後の展開についても発表された。まずゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」について、3月下旬にメインストーリー第2部を公開予定。公開時期の告知にあわせて、メインストーリー第2部特設ページとティザーPVを公開した。
また、ティザーPVで登場した新たなウマ娘「ラインクラフト」「シーザリオ」「エアメサイア」「デアリングハート」について、公式ポータルサイトのCHARACTERページに追加している。
そして5thイベント第4公演「-NEW GATE-」の追加出走者として、両日に小島菜々恵さん(ラインクラフト役)、佐藤榛夏さん(シーザリオ役)、希水しおさん(デアリングハート役)、DAY2に根本優奈さん(エアメサイア役)の出走が決定。さらに、追加出走者も今後発表予定としている。その第4公演プレイガイド先行の受付は、2月11日23時59分までとなっている。
ゲーム内の「ウマうたジュークボックス」に第3公演両日のセットリストを追加。イベントで披露された楽曲を、当日のセットリストに沿って再生できる。
5thイベント第1公演と第2公演が1パッケージになったBlu-ray「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -WISH- & -GAZE-」が、9月25日に発売決定。2つの公演の本編映像に加えて、イベントの裏側を映したメイキング映像も収録予定となっている。
第3公演と第4公演のイベント模様を収めた記念誌「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND MEMORIAL RECORD -YELL- & -NEW GATE-」の発売も決定。ステージ衣装を着用した出走キャストの撮りおろしグラビアのほか、セットリスト紹介、公演中や公演オフショットの写真などの内容を予定している。
第3公演のDAY1開幕を彩った「Overture」映像を期間限定で公開中。公開期間は2月18日までとなっている。
公式生配信番組「ぱかライブTV Vol.38 3周年記念 ハッピーウィンターフェス!」の放送が決定。新たなウマ娘の発表や、新育成シナリオの続報などアップデート情報をお届けする予定としている。
2月10日と11日に「ぱかスペース! 5th EVENT -YELL- 同時視聴」を配信。第3公演出走キャストによる振り返りトークを、「ウマ娘 プリティーダービー」公式X(旧Twitter)のスペースにて生配信予定。録音による再配信は予定していないという。
コミックスでは、2月28日に「ウマ娘 プリティーダービー うまむすめし」の第3巻が発売。また3月18日に「ウマ娘 シンデレラグレイ」の14巻が、同じく3月18日に「ウマ娘 プリティーダービー スターブロッサム」の2巻が同時発売。ともに書影を公開した。
このほかフィギュアに関する情報も公開した。
「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND」特設サイト
「ウマ娘 プリティーダービー」公式ポータルサイト
(C)Cygames, Inc.
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