「ウマ娘」5th EVENT 第1公演で見た“お祭り娘と苫小牧の星が輝く姿” - (page 3)

 ウマ娘がクロスメディアコンテンツとうたなかで、舞台や「ROAD TO THE TOP」といった新たな展開や作品にスポットを当てたパートがあり、さらなる広がりを感じさせるステージがあったこと、またウマ娘たちの関係性にもこだわっていると感じさせる楽曲と歌唱キャストの組み合わせ、ナンバリングイベント初出走メンバーという新たな色が存分に味わえるようなライブとなっていた。何より声出し解禁で声援を受けて躍動し、その声に喜ぶキャスト陣の姿も印象的だったと同時に、この先のツアーも期待できるものとなっていた。

 また余談ではあるが、筆者個人としても印象的な場面がいろいろとある。まず気になるウマ娘であるホッコータルマエについて触れておきたい。ホッコータルマエは苫小牧からやってきた“ロコドル”(ローカルアイドル)で、苫小牧の魅力を伝えるために歌と走りを頑張るウマ娘となっている。ゲーム内のストーリーでも、地域振興の難しさに直面したり、考えすぎて背負い込みすぎるところがあっても、真面目に、そして一途に苫小牧のことを思っている姿にひかれたところはある。

 ちなみに筆者自身における苫小牧のイメージは、フェリーの発着場であるターミナルとアイスホッケー。北海道生まれの関東育ちであるなかで、親族が室蘭市に在住していた時期があったため、幼少期などは家族で車に乗りつつフェリーで移動し、苫小牧にも立ち寄っていろいろな場所をまわってから室蘭まで移動するということを何度かしていた記憶がある。またアイスホッケーの観戦をしていた時期があるので、企業チームからクラブチームに形を変えつつも長年にわたって苫小牧に拠点を置いて活動しているチームがあるということは把握している。

 余談とはいえ話がそれすぎているので戻すと、ホッコータルマエはトレードマークと言えるような、後頭部を覆うぐらいの大きめなベレー帽をかぶってて、その姿がお似合いと感じているところで、菊池さんも再現したベレー帽をかぶって登場したときに同じような感想を持ったこととか、特に後ろ姿は三つ編みも含めてホッコータルマエそのものという感覚になれるものだったこととか、DAY1の「UNLIMITED IMPACT」やDAY2の「Hat on your Head!」で、かっこよさやりりしい表情を出しつつも、場面場面では笑顔を見せるというところにアイドルというものを感じられたとか、DAY1終盤でワンダーアキュート役の須藤さんと一緒に挨拶するところで起きたお茶目なところも“かわいいタルマエ感”があったとか、DAY2の「KIRARI MAGIC SHOW」は3人だからこその部分もあるが、幸せな空間でこちらも笑顔になれるようなステージであったのも印象的だった。

「KIRARI MAGIC SHOW」(DAY2)
「KIRARI MAGIC SHOW」(DAY2)

 そしてホッコータルマエと言えば“苫小牧アピール”。DAY1冒頭で挨拶するなかでは苫小牧のことを覚えてもらうようにお願いをしていたが、DAY2冒頭の挨拶では、育成ウマ娘「[スター・ライト・シップ]ホッコータルマエ」の固有スキルである「かがやけ☆とまこまい」が発動したときのセリフ「あの街知ってる?苫小牧!おいしさ溢れる苫小牧!いいとこいっぱい、したから行こう!とまこまーい!」をコール&レスポンスで行い、それにトレーナーが応えたことに、菊池さんが喜びの表情を浮かべていたのを目を引いたところだった。

 なにより最大の見せ場となったのは、DAY1でのソロ曲「けっぱれ!輝きストレート」の披露だろう。アップテンポなメロディにのせて送る、ロコドルとして頑張るホッコータルマエのことをそのまま表しているような楽曲となっている。モニターにはいたるところで“苫小牧”“とまこまい”“TOMAKOMAI”と文字が表示されたのをはじめ、菊池さんの姿を映すときも苫小牧市の形をしていたり、とまこまいコールができるようなガイドがあったり、さらに間奏では“Mount Tarumae”(樽前山)、“Haskap”(ハスカップ)、“Hokki Gai”(ホッキ貝)、“Yoitomake”(よいとまけ)、“Lake Utonai”(ウトナイ湖)といった苫小牧の名所や名産品のイラストも映し出され、苫小牧づくしと言える状態に。

 ステージでは、ほほに指を当てたり振り返りながら手を振ったりとロコドル感のあるかわいい振り付けをしながらパフォーマンス。軽快に見えつつも終始動きっぱなしで、それでいても笑顔は忘れずに精一杯歌い続ける姿はホッコータルマエそのものと言えるもの。なにより、CDでは少し抑えめだった終盤の「大好き」は、「大好きー!!!」と言えるぐらいに大きく叫ぶと、気持ちが伝わったのか歓声が起きる一幕も。

 ゲームのストーリーでは、トレセン学園に着たばっかりのホッコータルマエが、自ら作詞作曲をした「おいでよ、とまこまい」を駅前で歌う姿を、トレーナーが見かけるところから始まる。そんなホッコータルマエがロコドルとして大舞台に立ち、苫小牧の星として輝く姿に感慨深さを感じさせるようなステージとなっていた。

「けっぱれ!輝きストレート」(DAY1)
「けっぱれ!輝きストレート」(DAY1)

 そして筆者お気に入りのウマ娘がキタサンブラックであることを踏まえても、印象的なところがある。キタサンブラックは、お祭りが大好きな元気で明るい人情派ウマ娘。矢野さんがこれまでも挨拶で行ってきた、キタサンブラックと友情トレーニングが発生したときのセリフである「張り切っていこう!」を、声出し解禁ということでトレーナーと一緒に声をあげたのをはじめ、ステージでは元気いっぱいで躍動感のあるダンスパフォーマンスはこの公演でも健在。ほかにもDAY1でのコール&レスポンスのコーナーでは、「お祭りワッショイワッショイ!」とキタサンブラックらしい盛り上げ方をしたり、冒頭の「DRAMATIC JOURNEY」を歌い終わったあとでセンターステージに残っていたテープを両日とも拾い手に持って振る光景や、DAY2で松岡さんと遠野さんが配信を視聴しているトレーナーに向けて挨拶をしているとき、見切れるように移っていた矢野さんがピースをしたり手のポーズを決めていたり、「ミッドナイト・エピローグ」の最後で見せた、目をつぶって眠りにつくポーズなどはほほえましいところがあった。

 またキタサンブラックはトウカイテイオーに憧れを持っているというところは、ゲームやTVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」で描かれている。これを踏まえると、この第1公演はMachicoさんとのダブルセンターということもあり、2人が並んで歌う姿も多く見られるなど、終始ステージをけん引していたのをはじめ、DAY2でのコール&レスポンス企画でタッグを組んだ2人が、ゲームの日常会話をほうふつとさせるコール&レスポンスを行っていたことや、特定条件を満たすと発生するゲーム内イベントにある“歓びの舞”を終盤の挨拶で見せていたこと、またDAY1冒頭で射出されたテープを、お互いに首に掛けあったり、「うまぴょい伝説」を歌い始める前に拳をあわせるシーンも見受けられ、キタサンブラックとトウカイテイオーの関係性とも、2人の仲の良さとも感じさせるものがいたるところで見受けられた。

 そして特に感慨深くなるところがあったのは、DAY1における「Ms. VICTORIA」だ。ゲーム内イベント「チャンピオンズミーティング」に結びついている楽曲で、その頂点を勝ち取ったウマ娘がセンターに立ち、高台で歌を響かせる凱歌となっている。レースにおいて勝利すること、そしてセンターに立つことがいかに大切なことかを実感する楽曲でもある。

「Ms. VICTORIA」(DAY1)
「Ms. VICTORIA」(DAY1)

 冒頭のムービーで、真っ先にこの曲を歌うキタサンブラックの姿が映し出されたところを見てひょっとしたら、と思ったところ、センターステージに歌唱キャストが集うなかで、その中心で歌い始める矢野さんの姿を見たとき、チャンピオンズミーティングでの勝負や、キタサンブラックをセンターに立たせることができたことを思い出して、胸が熱くなったのが率直な感想としてある。

 そのあと矢野さんが、菊池さんと天海さんとともにメインステージに移動するなかで、その真ん中に立ち、モニターに映し出される星座のマークを背景に歌う姿も胸熱と言えるもの。また場内では赤のブレードに染まっていたが、キタサンブラックのイメージカラーは黒でありつつも、髪飾りや勝負服には赤が象徴的にあしらわれており、祝福しているよう……というのは完全に思い込みではあるものの、きらびやかなステージ衣装も相まって、お祭り娘の輝く姿にグッとくるようなステージと思えた次第だ。

 なお本公演は、「ABEMA PPV ONLINE LIVE」ならびに「イープラス Streaming+」にて見逃し(アーカイブ)配信を期間限定で実施。配信期間は、DAY1が7月22日23時59分まで(イベント配信チケットの販売は同日20時まで)で、DAY2は7月23日23時59分まで(同じくイベント配信チケットの販売は同日20時まで)。料金などの詳細は、5thイベント特設サイト内、第1公演配信概要に記載されている。

 今後の展開についても発表された。まずゲームにおいては、世界最高峰のレース「凱旋門賞」を舞台にした、新育成シナリオ「Reach for the stars プロジェクト L'Arc」を、8月下旬に追加予定であることを発表。詳細は後日発表されるという。

新育成シナリオ「Reach for the stars プロジェクト L'Arc」
新育成シナリオ「Reach for the stars プロジェクト L'Arc」

 このほか、第1公演の開催を記念して、出走者が着用していた衣装「Road of Radiance」をゲーム内でプレゼント。7月21日には、ゲーム内「ウマうたジュークボックス」に第1公演のセットリストを追加予定としている。

衣装「Road of Radiance」をゲーム内でプレゼント
衣装「Road of Radiance」をゲーム内でプレゼント
ゲーム内「ウマうたジュークボックス」に第1公演のセットリストを追加予定
ゲーム内「ウマうたジュークボックス」に第1公演のセットリストを追加予定

 ライブイベントについては、9月16日と17日にポートメッセなごや 第1展示館で開催予定の、第2公演となる「5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -GAZE- 」について、追加出走者を発表。また同公演のグッズ全ラインアップと物販の詳細情報を公開。全商品のラインアップ、会場物販の詳細情報については、ウマ娘公式ストア「5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND」特設ページに記載されている。

第2公演 -GAZE- DAY1追加出走者
第2公演 -GAZE- DAY1追加出走者
第2公演 -GAZE- DAY1全出走者
第2公演 -GAZE- DAY1全出走者
第2公演 -GAZE- DAY2追加出走者
第2公演 -GAZE- DAY2追加出走者
第2公演 -GAZE- DAY2全出走者
第2公演 -GAZE- DAY2全出走者
第2公演 -GAZE- グッズの全ラインアップと物販の詳細情報が公開
第2公演 -GAZE- グッズの全ラインアップと物販の詳細情報が公開
第2公演 -GAZE- チケット情報
第2公演 -GAZE- チケット情報

 第1公演をふりかえる「そこそこぱかライブ TV Vol.25 5th EVENT 第1公演 -WISH- 振り返りスペシャル」が近日公開予定。また、DAY1の開幕を彩った「Overture」映像を期間限定(7月23日まで)で公開中となっている。

「そこそこぱかライブ TV Vol.25 5th EVENT 第1公演 -WISH- 振り返りスペシャル」
「そこそこぱかライブ TV Vol.25 5th EVENT 第1公演 -WISH- 振り返りスペシャル」

 映像商品では、2022年11月に開催された、ウマ娘初のドーム公演「ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! EXTRA STAGE」について、Blu-rayの発売が2023年11月15日に決定。DAY1、DAY2の全編に加え、バックステージ映像も収録しているという。また8月11日に発売予定の、舞台「ウマ娘 プリティーダービー」~Sprinters' Story~ Blu-rayのジャケットデザインも公開した。

舞台「ウマ娘 プリティーダービー」~Sprinters' Story~ Blu-rayのジャケットデザイン
舞台「ウマ娘 プリティーダービー」~Sprinters' Story~ Blu-rayのジャケットデザイン

 このほか、描きおこしイラストを使用した「ぬいぐるみといっしょ」シリーズのPOP UP STOREをマルイ4箇所で開催や、ウマ娘公式ストアにてBoC'zグッズの予約開始、各種フィギュア情報も公開した。

POP UP STORE in マルイ
POP UP STORE in マルイ
BoC'zグッズ
BoC'zグッズ
フィギュア情報
フィギュア情報

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