本記事は皆さまに「より“いい”1on1」の時間が過ごせるよう、1つでも多くの「きづき」をお届けするコンテンツとなっています。
【前編:「神1on1を目指さない」--1on1をより良くするために転換するべき思考ポイント】
【中編:むやみやたらと1on1の頻度を増やさないために--高めるべき「誰」「いつ」「何」の解像度】
「自由演技」「何でもOK」と捉えられがちな1on1を、「データ」を活用したより良い1on1にする具体的な方法としては、組織カルチャー(行動様式)に関する簡単なサーベイを通じて、その人が「今チームとして優先するべきと考えている行動」を可視化していくことです。
<イメージ>
そこで出てきた「組織カルチャーモデル(行動様式のモデル)」をもとに、チームメンバーやリーダーが考える行動優先度とのギャップをもとに対話をしていく形です。
先ほど申し上げたように、“あまりうまくいかない” 1on1では、どうしても数字ベースの目標達成方法や進捗確認が横行してしまったり、個人の価値観や考えのみが言語化され、チーム活動との接続がなされないままに日々の業務に戻ることにより、なかなかチームとしての「いい行動」につながらないということが多く散見されます。
よって、こういった行動様式や数字という結果ではなく「”行動”という過程」についてのデータ(共通言語)を取り入れることでプロセスをデザインし、チーム活動との接続を言語化・認識することで、「自分は◯◯という背景でXXという行動を優先し、それはチームとしても△△という理由で優先されている行動であり、よい行動である」といった認識と行動変容を育んでいく取り組みが有効になるのです。
改めて、1on1でマネジメント/整えが必要なジャンルを整理すると
といったことが挙げられるかと思います。そして、これらが「どのくらい、今、充足しているのか?」を機動的に把握していくことです。
逆にこれらが「見える化」され機動的に把握できていないと、どうしても手探り・場当たり的な対話にならざるを得ません。是非、パルスサーベイなどを通じて、状態の見える化(データ蓄積)をしましょう。機動的に捉える分だけ変化を捉えることができ、経時変化をもとにしたより深い対話ができるようになります。
データという景色を一緒に見ながら、1つ2つ深く入り込んだ対話を重ねて、1on1をする側も受ける側も有益なお時間をお過ごしいただければと存じます。
この段においては、データは「見える化」にとどまらず「言える化(お互いの共通言語)」となります。データ活用を通じて皆さまの1on1に彩りを。
川本周
株式会社アトラエ Wevox営業責任者・ビジネスサイド統括 / SMBC Wevox株式会社 取締役副社長
新卒で当時未上場の株式会社アトラエ入社。入社後はIT業界に強い求人メディア「Green」のコンサルティング営業を担当。その後、新規事業の組織力向上プラットフォーム「Wevox」へ異動。現在は、Wevox営業責任者/ビジネスサイド統括を担う。通常業務の他に、社内のバリュー刷新や全社コミュニケーションの設計などの自社の組織力向上にも従事。2023年10月より三井住友フィナンシャルグループとの合弁会社であるSMBC Wevox株式会社の取締役副社長に就任。ISO 30414 リードコンサルタント/アセッサー資格ホルダー。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果