欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)が3月に発効するのを前に、Appleは「iOS 17.4」からEUでアプリのサイドローディングを許可すると発表した。
AppleフェローのPhil Schiller氏は、「本日発表する変更は、EUにおけるDMAの要件に準拠するとともに、この規制がもたらす避けられないプライバシーとセキュリティの脅威の増大からEUユーザーを守る一助となる。われわれの最優先事項は引き続き、EUおよび世界中のユーザーに可能な限り安全で最高の体験を提供することだ」と述べた。
サイドローディングを認める一方、AppleはすべてのiOSアプリに対し「公証」を受けることを求める。これには「自動チェックと人によるレビュー」が含まれる。また、その他の対策として、アプリの概要をまとめたインスタレーションシート、Appleのセキュリティ要件を順守する開発者の承認、インストール後にマルウェアが含まれていると判明したアプリの起動を防ぐ仕組みを挙げた。
アプリのサイドローディングとは、OSの公式アプリストア以外から入手したアプリをインストールすることだ。このようなアプリは必ずしも悪質なものではないが、公式アプリストアの制限やポリシーの対象外となるため、ユーザーをセキュリティリスクにさらす可能性がある。
Appleはまた、EUにおけるApp Storeでのデジタル商品やサービスの販売手数料(現在は最大30%)を17%に、減額の対象となる場合は10%に引き下げる。開発者は3%の追加手数料でApp Storeの決済処理を利用するか、追加手数料なしで、アプリ内で決済サービスプロバイダーを利用するか、決済のためのウェブサイトへのリンクを表示するかを選べる。
すべてのアプリは、サイドローディングされたかApp Storeからダウンロードされたかに関わらず、年間100万インストールを超えると1インストールごとに0.5ユーロ(約80円)が課される。
この変更は、3月に予定されているiOS 17.4の一般提供により、27のEU加盟国の全ユーザーに展開される。
Appleの発表この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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