サムスンのスマートフォンの最新ラインアップが、同社の新製品発表イベント「Unpacked」で公式に発表された。「Galaxy S24」「Galaxy S24+」「Galaxy S24 Ultra」の3モデルだ。だが、際立った機能をひととおり確認したところで、「iPhone」とはどこが違うのかという疑問が残った人もいるかもしれない。iPhoneが市場で飛び抜けて人気の高いスマートフォンであることに疑いの余地はない。どちらが自分のニーズに合うか、どうやって選べばいいのだろうか。
「iPhone 15」と、サムスンの「Galaxy S」シリーズの最新ベースモデルであるGalaxy S24のどちらかで迷っているようなら、最終的には個人的な好みに行き着くと考えた方がいいかもしれない。どちらにもそれぞれ長所があるので、何を重視するかに応じて選べるように、詳しくは後述する。それでも、両者で得られる体験は異なるため、特にOSに関しては、結局のところ個人の好みということになる。
Galaxy S24 | iPhone 15 | |
---|---|---|
最低 価格 |
799.99ドル(約11万9千円) | 799ドル(12万4800円) |
ディスプレイ | 約6.2インチDynamic LTPO AMOLED 2X、ピーク輝度最大2600ニト | 6.1インチSuper Retina XDR OLED、最大輝度1000ニト(標準)、ピーク輝度1600ニト(HDR)、ピーク輝度2000ニト(屋外) |
解像度 | 1080×2340ピクセル | 1179×2556ピクセル |
プロセッサー | 「Snapdragon 8 Gen 3」 | Apple「A16 Bionic」 |
RAM | 8GB | 6GB |
ストレージ | 128GB、256GB、512GB(国や地域、キャリアによって異なる) | 128GB、256GB、512GB |
メイン カメラ |
50MP f/1.8広角、12MP超広角、10MP望遠 - 8K(30fps) | 48MP f/1.6広角、12MP超広角 - 4K(24/25/30/60fps) |
前面 カメラ |
12MP f2.2 | 12MP f/1.9 - 4K(24/25/30/60fps) |
バッテリー | 4000mAh | 3349mAh |
耐久性 | IP68等級、「Gorilla Glass Victus 2」とアルミニウムフレーム | IP68等級、Corning製ガラス(前面および背面)とアルミニウムフレーム |
カラー | オニキスブラック、マーブルグレー、コバルトバイオレット、アンバーイエロー、サンドストーンオレンジ、ジェイドグリーン、サファイアブルー(一部オンライン限定) | ブラック、ブルー、グリーン、ピンク、イエロー |
新モデルのGalaxy S24シリーズには、いくつかの注目すべき生成AI(人工知能)機能が採用されている。もちろん、意外なことではない。そのくらい生成AIは2023年の話題を独占したし、2024年はいよいよ思いもよらない場所にまで生成AIが行きわたる年になりそうだ。今のところ、生成AIの領域に関しては、サムスンがAppleに先行している。
iPhone 15には生成AIの機能がほとんどないのに対して、サムスンは、Galaxy S24、Galaxy S24+、Galaxy S24 Ultraの全モデルでメール、メッセージ、写真、音声メモ、ホーム画面などに生成AI機能を搭載している。Googleの「Pixel」シリーズと同様、S24の各モデルでも写真の被写体を動かし、生成した画像の一部を貼ることで空いた場所を埋めることができる。別の言語の話者に電話をかけるときは、リアルタイムのAI翻訳機能を使うことで会話が成立する。
メールの文章を生成したり、音声メモを文字起こしして要約したり、あるいは画像に写ったものを丸で囲んでGoogle検索したりすることも可能だ。Appleが2024年にどんなものを投入してくるかは予測できないが、iPhone 15が現在このレベルに達していないことははっきりしている。
プロセッサーは、iPhone 15がAppleの「A16 Bionic」、Galaxy S24がQualcommの「Snapdragon 8 Gen 3」をそれぞれ搭載する。どちらも4ナノメートル(nm)プロセスを採用したプロセッサーだが、RAMに関してはGalaxy S24が8GB、iPhone 15が6GBとなっている。
この4nmプロセッサーは最新のチップで、従来のモデルよりパフォーマンスが向上し、処理速度も上がっている。マルチタスクがスムーズになり、エネルギー効率も高い。ただし、プロセッサーはピーク時にデバイスの空きRAMも活用するので、4nmプロセッサーと組み合わせて使われるRAMが多いほどシステムの同時処理能力は高くなり、プロセッサー側の負担が軽くなる。
iPhone 15のリフレッシュレートは、「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」を別にすれば、残念なことに60Hz止まりだ。それに対してGalaxy S24は可変リフレッシュレートを採用し、表示されるコンテンツに応じて最大120Hzまで対応する。
可変リフレッシュレートの恩恵は、特に熱心なゲーマーでなくても体感できるもので、動画再生時のスクロールをスムーズにするうえでも効果がある。また、リフレッシュレートは動的で、写真のように静的なコンテンツを表示するときには自動的に下がるので、Galaxy S24ではバッテリーと処理能力が節約される。
また、Galaxy S24は最大輝度が2600ニトのため、明るい日中の屋外、例えば快晴の日の屋外などでも画面が見やすい。
iPhone 15のディスプレイはGalaxy S24より若干、およそ0.1インチ小さいが、画面の解像度とピクセル密度はGalaxy S24より高いため、画像のリアルさとシャープさは間違いなく上回っている。リフレッシュレートとピーク輝度が劣っていることに目をつぶって、より鮮明な画像を優先するのであれば、iPhone 15も決して悪い選択ではない。
iPhoneユーザーの多くがAppleブランドにこだわるのは、同社のエコシステムにどっぷり漬かるのが快適だからだ。障害やバグがほとんどないと常に安心できて、デバイスの切り替えが簡単となれば、それだけでiPhoneを使い続ける十分な理由になるというユーザーは多い。
とはいうものの、Appleは閉鎖的で、ささいな機能の排他性を売りにする。メッセージの青い吹き出し、あるいはデバイス群の外観と動作の一貫性といったことだ。だが、中には意外性のなさに安心感を抱くAppleファンもいる。次の新型iPhoneが出ても、操作性はこれまでのモデルと大きく変わらず、「iPad」や「AirPods」、さらには「Apple Watch」ともシームレスに連動すると分かっているからだ。
今iPhoneを使っていて、Galaxy S24への乗り換えを検討しているとしたら、Appleのエコシステムからどんなメリットを得ているか、よく考えてみることをお勧めする。サムスンのスマートフォンとApple Watchが連動しないことは言うまでもない。十分に考えたうえで意外性の少ないiPhoneの世界から離れてみたいということなら、Galaxy S24は有力な選択肢になる。
スマホの色はあまり気にしないという人もいるかもしれないが、大抵のユーザーは本体の色を気にするものだ。ましてや、iPhone 15やGalaxy S24のようなエントリークラスのスマートフォンの中心的なユーザーとなる若い世代ならなおさらだ。
iPhone 15のカラーバリエーションはピンク、ブラック、ブルー、グリーン、イエロー。一方のGalaxy S24にはオニキスブラック、マーブルグレー、コバルトバイオレット、アンバーイエロー、サンドストーンオレンジ、ジェイドグリーン、サファイアブルー(一部はオンライン限定)が用意されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」