NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社は1月18日、通信4キャリア合同で、「令和6年能登半島地震」における携帯電話サービスの復旧対応状況を発表した。
2024年元日に発生した令和6年能登半島地震は、最大震度7を記録、大津波警報も発令。前震や余震を含めて震度5弱が15回超発生する、非常に被害の大きい災害となっている。
4キャリアのネットワークは、それぞれ多少の違いはあれど、電波を送る基地局の停電、各基地局からの信号を収集してコントロールする通信ビルと停電、それぞれの断線などが発生した。土砂崩れやトンネルの崩壊による限定的な車両通行、停電、積雪などへの対応も求められながら、4キャリアともに移動式の電源車や基地局、仮設伝送路などにより、立ち入り困難地域を除いた“応急復旧”が完了したという。
各社の詳細な対応状況としては、ドコモは、1日最大600人で復旧に当たり、移動基地局などで90カ所、移動電源車などで81カ所を救済したという。
避難所支援としては、227カ所の避難所へマルチチャージャー194台、モバイルバッテリー1917台、Wi-Fiルーター161台を無償設置。また、衛星携帯電話「ワイドスター2」の計344台の提供、KDDIと連携しての船上基地局の運用などを実施している。
KDDIは、1日最大500人体制で、移動基地局84台、ポータブル発電機228台などにより復旧活動に当たったという。
ドコモと連携しての船上基地局船上基地局のほか、衛星通信「Starlink」350台を避難所に無償設置してのフリーWi-Fi提供も実施している。
ソフトバンクは、1月17日時点で計5815人を動員したという。
可搬型機材235台を中心にスマホアプリと管理ツールを連動させて作業員の状況などをリアルタイムに把握しながら、応急復旧・支援活動に当たったと説明した。
各種支援では、Wi-FiスポットやStarlinkの活用に加え、提携するWOTAの水循環システムも好評だという。また、1月17日には3Gサービス終了を全国的に延期することも発表している。
楽天モバイルは、1日平均340人が現場で対応。移動基地局車40台、可搬型発電機48台を派遣し、停波した77の基地局のうち76局の応急復旧に成功。道路啓開待ちの1局を残すのみとしている。
充電サービスやWi-Fiルーター、携帯電話のレンタルなどを無償提供するほか、対象地域では楽天モバイルの1~3月の料金を無料にすることも発表している。
4キャリア合同での発表となった点について、NTTドコモ 常務執行役員 ネットワーク本部長 小林宏氏は「各社が応急復旧を進めるなか、同じような形で一堂にお知らせすることで、能登半島の復旧状況を被災されている方、地元の方々に正確にお伝えできると考えた」と話す。
また、いずれも交通が復旧しているエリアの基地局は応急復旧済みで、未復旧基地局も道路啓開後速やかな復旧を目指すという状況となっていることが改めて示された。
一方、本格的な復旧に関して、KDDI 執行役員常務 技術統括本部 副統括本部長 兼 エンジニアリング推進本部長 山本和弘氏は、「実際に基地局の場所に行けておらず、倒壊しているのか、単純な停電なのか、一体基地局がどういう状態になっているのかも分かっていない」という。小林氏も、電力会社や光回線提供事業者との連携なども考慮して進める必要があるため具体的な本復旧時期についての明言は避けつつ、「長期化する可能性が高い」と続けた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」