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能登半島地震でも「デマ」発生--災害時のSNS活用法と偽情報に惑わされない情報収集法

 元日におきた「令和6年能登半島地震」から、「X」(旧Twitter)などのSNSではさまざまなデマが飛び交っている。災害時のSNSの活用法とともに、SNS上の情報の真贋の見極め方について改めて解説したい。

  1. 人工地震、原子力発電所で火災などデマがあふれる
  2. SNSのデマに惑わされないために
  3. 災害時のSNSでの情報収集方法は

人工地震、原子力発電所で火災などデマがあふれる

 X上には、実にさまざまなデマが飛び交っている。たとえば、地震の原因を「人工地震」とするデマだ。「人工地震だ。ニュースが消されて見られなくなったのがその証拠」などとするポストが1月1日の地震直後から投稿、拡散された。「人工地震というのはデマ」などと否定するポストも多く投稿されていたので、見た方もいるのではないか。

 専門家によって、地震波や地震に伴う地殻変動を見ても一般的な自然の地震と変わらない特徴があり、マグニチュードからみても人間が作り出せるエネルギー量ではないとして、このデマは誤りとして否定されている。

 原子力発電所関連の不安を煽るデマもあった。北陸電力のX公式アカウントは、「能登半島地震の影響で、志賀原子力発電所1、2号機の変圧器油漏れにより火災が発生した」との報道やSNS投稿について、誤りであると否定している。

 またあるユーザーは、「右腕がタンスに潰されてます。感覚がない、動けない」「家が崩れて女性と子供が挟まれて取り残されています」「息子がタンスの下に挟まって動けません」などと、石川県の住所とともにさまざまな救助を求めるポストを投稿。このユーザーの投稿は、他のユーザーの投稿のコピペや改変ばかりであり、デマだらけだったことがわかっている。

さまざまな救助依頼投稿を石川県の住所とともに投稿していたアカウント
さまざまな救助依頼投稿を石川県の住所とともに投稿していたアカウント

 偽のSNSで「たすけて」と投稿したケースでは、実在しない自治体名を使って投稿されていた。投稿者は海外におり、やはりデマだったことが明かされている。

SNSのデマに惑わされないために

 では、SNS上のデマに惑わされないためにはどうすればいいのか。総務省は、Xの公式アカウントでネット上の誤情報について注意を喚起。「情報源はあるか」「その人は専門家か」「他ではどう言われているか」「その画像は本物か」などに注意するよう呼びかけている。

 SNSの情報に接した場合、このように発信者や情報源が信頼できるかどうかを確認するのが基本となる。発信者のアカウントを確認し、そのユーザーが確認できるかどうか調べること。アカウントができた時期、他の投稿、プロフィールなども確認しよう。

 気になる情報があっても、公式サイトや公式アカウントの情報、省庁や自治体、メディアなどの信頼できる情報源でも確認することが大切だ。

 たとえば、前述の複数のSOS投稿をしていたユーザーは、さまざまな住所でさまざまなSOS投稿しかしておらず、顔写真なども登録せず、プロフィールにはアダルトサイトへのリンクが貼られていた。善意からでもこのようなデマを拡散したり、緊急の情報として現地に伝えたりしてしまうと、緊急性の高い本当の救助依頼に対応できなくなってしまうので注意してほしい。

 原子力発電所関連のデマも、東日本大震災時の原子力発電所で起きたメルトダウンなどが脳裏によぎり、心配した方が多かったのは仕方がない。しかし、このようなときも公式サイトや公式SNSアカウント投稿などを確かめることで、その情報の真贋を確認することができる。

 なお、最近はディープフェイク画像や動画などを利用した、ひと目では見分けづらいデマも増えている。気になる画像や動画があっても、それだけで信用しないこと。画像検索したり、ほかに信頼できる情報源が見つかるかどうかを確認したりするといいだろう。また、災害時は情報が古いだけでデマとなることがあるので、最新の情報かどうか確認することも必要だ。

 当連載の過去記事でも解説しているので、こちらも参考にしてほしい。

災害時のSNSでの情報収集方法は

 メディアは災害時もさまざまな情報を発信してはいるが、刻一刻と状況が変わるため、必ずしも現地の最新の情報が得られるとは限らない。デマに気をつけた上で、SNSで情報収集した方が、最新の個別の情報が得られる可能性がある。

 「首相官邸」や「気象庁」などの省庁、「NHKニュース」などのメディアのほか、「NHK生活・防災」「ウェザーニュース」などの天気・災害情報発信アカウント、居住地の自治体、知事や市区町村長などのSNSアカウントをフォローしておこう。信頼できるアカウントがリポストしているアカウントや情報なども、信頼できると考えていいだろう。

 今回の場合であれば「#能登半島地震」など、地震や災害名などで検索しても情報が得られる。

 情報は必ず信頼性を確認する習慣をつけること。真贋がわからない場合は、少なくともシェアやリポストなどはしないことが大切だ。

災害時のSNSでの安否確認方法は

 災害時のSNS活用は、デマに気をつければむしろ有用なものだ。災害時は、電話は輻輳(ふくそう)状態となり、集中してつながりづらくなるが、SNSならインターネット回線で利用できるため、情報収集や安否確認などに活用できる。

 「LINE」なら、既読がつくだけで無事ということが確認できる。安否確認用に、普段から家族などのLINEグループを作っておくといいだろう。東日本大震災をきっかけに搭載された機能で、災害時によく利用されている。

 また、「LINE安否確認」機能を使うと、大規模災害が発生したときにLINEでつながる友達に自分の安否を知らせるとともに、友達の安否状況を確認できる。災害が発生した地域に自分がいる場合や、災害が発生した地域に友達がいて安否状況の登録をした場合に、ホームタブ上に表示される仕組みだ。

 「Facebook」でも「災害支援ハブ」機能が用意されており、自分の安全をFacebookでつながる友達に知らせるほか、支援・サポートの要請や提供、最新ニュースや情報の確認などができるようになっている。災害の影響を受けた地域にいると思われるユーザーにはFacebookから安否を確認する通知が届く。無事でいる場合は、「自分の無事を報告」というボタンをタップすると、Facebook上の友達に安否を報告できるようになっている。

 災害はいつ起きるかわからない。いざというときのために、SNSを活用するコツを身に着けておくといいのではないだろうか。最後になったが、一日も早い復旧復興と、被災者の皆様に平穏な日々が戻ることをお祈り申し上げたい。

高橋暁子

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。執筆・講演・メディア出演・監修などを手掛ける。教育出版中学国語教科書にコラム 掲載中。元小学校教員。

公式サイト:https://www.akiakatsuki.com/

Twitter:@akiakatsuki

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