会話型生成AI「Google Bard」、2023年多かった使い方は?--グーグルが10位まで紹介

 グーグルは12月1日、試験運用中の会話型生成AIサービス「Google Bard」の活用方法ランキングを発表した。

 Bardの提供を開始した2023年5月から11月までの期間における日本語でのランキングや、各活用方法における詳細や最新機能も含めたTips、英語のランキングとの比較とともに紹介している。

キャプション
  1. 情報収集、専門トピックの相談が最多
  2. プログラミング、翻訳といった専門的な使い方も上位に
  3. 英語との比較も

情報収集、専門トピックの相談が最多

 日本語のランキングでは、調べ物や相談など情報を幅広く調べる「情報収集」に関する活用方法が多くランクイン。「水の沸点は、気圧によって変わりますか?」や「sin 90度=?」など、単一・複数の明確な答えを探す「事実に関する調べもの」が1位となっている。

 
 

 2位には、「セキュリティ対策を強化したいのですが、どのような対策をすればよいでしょうか?」など、歴史、文学、経済や最新のテクノロジーの説明など、専門的な領域における相談を含めた「専門的なトピックの相談」がランクイン。

 9位には、「七転び八起きの他の言い方教えて」など、特定の意味を持つ単語や説明に基づいて、固有の名称を調べる辞書の逆引き検索のような「言葉を調べる」使い方がランクインした。

 一般的に、Bardを情報収集に利用する場合は、質問している背景や目的、状況などを説明文に加えると、質問に沿った回答を得やすい。

 例えば、「冬休みで習得できることを教えて」という質問を、「小学校4年の子供に冬休みの理科の研究で最適な10テーマ」と自分の状況や背景を詳しく伝えると、より精度の高い回答が得られる。一般的な情報検索と異なり、前回の会話の文脈を理解することも特徴のため、先程の会話の続きとして、「その中から2週間でレポート作成するまでに最適のテーマとスケジュールは?」など、続けて会話をすることで、検索テーマについての深掘りが可能だ。

プログラミング、翻訳といった専門的な使い方も上位に

 3位には「プログラミング」、4位には「翻訳」と、専門的な使い方も上位にランクインしている。

 プログラミング分野では、「音声ファイルをMP3形式に変換するためのPythonのコードを作成して」や「以下のHTMLコードのバグを修正して」など、コード作成から作成したコードの説明とそれに対する修正案の提案、「Googleスプレッドシートで、ある範囲で値が『参加希望』を数える関数教えて」などの関数まで、コードの作成・理解・修正全般における活用方法がみられたという。

 翻訳では、「ontologicalを日本語にして」など、特定の単語の翻訳だけでなく、「次の日本語の文章をビジネス英語にして」や、「『帯に短したすきに長し』を中国語と韓国語で3つずつ例をだして翻訳して」など、状況や言語ごとでの使い分けでも活用されている。

 5位の「文章の編集」や10位の「文章を完成させる」など、文章作成時のアイデアやサポートも多くみられたという。

 「文章の編集」では、「以下の文章の流れや構成を修正/分かりやすくしてほしい」や「表現を自然にして」など、全体的な流れや言い回しといった文章の修正に活用されたほか、「以下を仕事の取引先に送る丁寧なビジネスメールにして。『今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。1月8日から出社します。』」など、ビジネスシーン等状況に合わせた文章の作成などでも活用されたという。

 日本語だけでなく、「下記の英語の文法を確認して」や「この英語の文章をビジネス英語/プレゼンテーション用にして」など、多言語での修正での活用もみられたとしている。

 「文章を完成させる」では、「以下の文章の続きを補完してほしい」や「以下の文章をより充実したものにしてほしい」など、途中から言葉が浮かばない時や内容が不十分な際に文章作成をサポートしている。例えば、「お世話になった先生に年賀状を書いてます。続きを考えてください。-昨年もお世話になりました。同窓会で久しぶりにお会いできて、嬉しかったです。今年は…」などと質問すると、Bardが文章の続きを回答するという。

 なお、Bardは、回答の長さや口調を5つのオプション(短くする、長くする、シンプル、カジュアル、または専門的な表現にする)に変更できる機能を搭載する。これにより、ビジネスメールを作成してという質問の回答をワンクリックで長くしたり、短く簡潔にしたりできるようになる。

 
 

 6位の「雑談・おしゃべり」では、「久しぶりに会う友達と英語で話すための練習相手になって」や「ラーメン食べたい」など、会話の相手にする活用方法がランクインした。

 7位にランクインした「新たな見解を得る」では、「カツ丼は卵とじかソース派か」や「2つのグループに分けてディベートして、たいやきは頭から食べるか尻尾から食べるか?」など、多様な視点から特定のトピックを分析するために使われている。

 8位の「要点をまとめる」の質問では、「下記の文章をまとめて」や「関ケ原の戦いについて理解を深めるために質問を10個考えて」など、文章や特定のトピックの要点をまとめる使い方がランクイン。

 質問もしくは、回答への続きとして「それぞれの答えと合わせて表でまとめて。」と付け加えると表で回答を表示でき、それをそのままほかのドキュメントにコピーできるという。

 また、Bardの機能を使うことで、もっと簡単に得たい回答が取得できる。例えば、「Google Lens」を活用すると写真での質問が行えるため、花の写真から花の種類や育て方を調べることが可能。「冬休みに行く日光2泊3日の旅行でおすすめの場所を写真つきで紹介して」など、写真付きの回答を得られる。

英語との比較も

 日本語の活用ランキングでは、情報収集に関連する活用方法が上位にランクインしているが、英語では事実の確認とともにプログラミングによく使われており、情報収集と技術的な作業に活用されている。また、文章などの要約や文章を完成させるためにも使われていたという。

 グーグルは、想像していた以上にさまざまな使われ方をしており、これからもユーザーが便利で楽しく使えるように、新機能の提供や役立ち情報を案内していくとしている。

【12月1日15時27分更新】

 記載内容、画像を一部変更しました。

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