メルカリは11月13日、スポットワーク事業に参入することを発表。スキマ時間を活用して働ける求人プラットフォーム「メルカリ ハロ」を、2024年初春から開始予定としている。
同社では、フリマアプリ「メルカリ」を通じて誰もがモノの売り買いを楽しめるマーケットプレイスを展開。このほか、「メルペイ」の決済・与信事業による「お金」と「信用」の循環を加え、クレジットカード「メルカード」の提供や「メルカリ」上で暗号資産の取引を開始するなど、あらゆる価値が循環するエコシステムを着実に拡張しているという。
このエコシステムに対して、スポットワーク事業への参入を通じて、これまでの「モノ」「お金」「信用」の循環に「時間・スキル(働く)」が加えるという。人手不足という社会課題と、そのなかで急速に拡大しているスポットワークへの需要に対して、月間2260万人を超える利用者が慣れ親しんだメルカリを通じて、簡単に仕事を探せる体験を提供するとしている。
将来的には、メルカリが展開しているモノの循環、決済、与信といった既存事業と組み合わせ、働いた給与を即時にメルペイで受け取り、メルカリや日常の買い物での決済や「メルカード」の支払いに活用する、働くことで得た信用を実績としてメルカリに蓄積していくといったシナジーの創出を目指すとしている。
メルカリ ハロは“だれでも、すぐに、かんたんに”をコンセプトとする、スキマ時間を活用して働ける求人プラットフォーム。サービス名は仕事を探す「クルー」と、求人を出す「パートナー」が日常的に出会い、安心して気軽に挨拶しあえる世界観を示すためとしている。
スポットワークを利用したことがないクルーでも、メルカリから簡単に仕事を探すことが可能。すでに本人確認済みのメルカリのアカウントがあれば、新たに情報を入力することなく、簡単に仕事に応募することができる。メルカリにおける評価と同様に、パートナーとクルーの評価が可視化されるため、安心して利用することができるとうたう。
2024年初春に、首都圏の一部エリアからのサービス開始を目指して開発を進め、順次全国へと展開していく。今後については、既存事業とのシナジーを最大限に追求していく方針としており、グループ会社のメルペイを通じて、給与デジタル払いを実現し、メルカリ ハロを利用した際、メルペイで給与を受け取れる体験の提供を目指すとしている。
説明会に登壇したメルカリ CEO Marketplace 兼 CEO Fintechの山本真人氏は、それぞれのサービスの相互作用によってモノやお金、信用などの循環が滑らかに実現できている一方で、物理的なものは徐々に劣化してしまうという性質があるため、持続的な循環のためには、この循環の流れに新たな価値を流入させる必要があると指摘。時間やスキルという新たな価値を加えることは必然とし、スポットワーク事業の参入は長く検討してきた、その背景を語った。
またメルカリ 執行役員 VP of Work 太田麻未氏は、取り扱う仕事内容について、展開直後はサービス業や倉庫作業に関わる仕事の提供が多くなると想定しているが、幅広い職種を扱っていきたいとし、パートナーとなる企業についても小規模事業者はもとより、複数店舗を持つような事業者でも、労務管理やデータ管理がしやすいシステムを構築して提供していくとした。
またビジネスモデルについては、求人マッチングの際に発生する手数料を主体としており、賃金と交通費の30%を予定しているという。発表にあわせて、求人募集パートナーの先行受付を開始。手数料無料キャンペーンを展開し、期間中に先行受付を行ったパートナーは、求人のマッチングに応じて発生する手数料が当面の間無料としている。
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