Sansanは9月26日、同社が展開している「Eight」について、スマートフォン同士をかざすだけで名刺交換が完了する新機能「タッチ名刺交換」の提供を開始した。また、新機能のリリースにあわせて、ブランドロゴとアプリを一新。キャリアプロフィール「Eight」から名刺アプリ「Eight」へリニューアルする。
リニューアルの背景として、スマートフォンをかざすだけで名刺情報を読み取れるデジタル名刺の注目が高まっていることを挙げる。同社が実施したという名刺交換の実態調査では、約40%のビジネスパーソンがデジタル名刺の利用を検討しているという結果になったという。あわせて、経済産業省の調査では、2019年に26%だったキャッシュレス経済比率が、2022年には36%を超えているとし、紙の名刺や現金を持ち歩かず、スマートフォンひとつで生活したいというニーズが高まっていることが伺えるという。
2023年5月には、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことにより、ビジネスパーソンの出会いの場が、オンラインからオフラインに回帰しつつあるという。こうした状況を踏まえ、名刺アプリのEightへとリニューアルをし、スマートフォンひとつで名刺交換から名刺管理、名刺交換相手の異動や昇進、転職などの最新状況の把握まで対応できるように進化するという。
新機能であるタッチ名刺交換は、Eightユーザー同士がスマートフォンを近づけるだけで、瞬時にデジタル名刺の交換ができる。これまでEightの主軸の機能であった紙の名刺交換後の名刺管理にとどまらず、ビジネスパーソンの出会いのはじまりである名刺交換の体験そのものを進化させるものという。なお、Eight非ユーザーとのデジタル名刺交換は、「QRコード」、「URLリンク」の機能で対応する。
タッチ名刺交換の機能は、ビジネスパーソンがオフラインで集まるあらゆる場面での活用を想定。取引先との商談をはじめ、オフラインイベントやカンファレンス、懇親会や交流会での活用を推進していく。特に紙の名刺切れが発生しやすいオフラインのカンファレンスと親和性が高いと考えているとし、今後11月に行なわれる「Climbers Startup JAPAN 2023」をはじめ、Eightが主催するカンファレンスでタッチ名刺交換の活用を推進。またナノベーションなど複数社のイベント会社との連携も決まっており、オフラインイベントを通じてタッチ名刺交換の普及を図るという。
オフライン回帰の流れにともなって、さまざまな企業がデジタル名刺のサービスをリリースしている状況はあるなか、デジタル名刺市場におけるタッチ名刺交換の特徴として、アプリで完結するため物理的なカードが不要であることを挙げる。またEightについては、名刺管理機能とSNS機能が備わっているため、スマートフォンひとつで名刺交換後の名刺管理、名刺交換相手の異動や昇進、転職などの最新状況の把握ができることを強みとしている。
同日に行われた説明会において、Sansan 取締役 執行役員 Eight事業部 事業部長 塩見賢治氏は、2012年のEight提供開始から11周年となったこと、その間にビジネスパーソンの出会いを後押ししてきた結果、ユーザー数は330万人、Eight Teamの導入社数は4000社を突破(2023年8月時点)している状況に触れつつ、Eightの提供開始時に掲げたテーマとして“紙の名刺がいらない世界を作る”だったとし、「今回のリニューアル、タッチ名刺の機能により、このテーマを実現するときがきたと感じている。新たに進化したEightは、紙の名刺がいらない世界を作る大きな第1歩。社会人になったら、誰しもが紙の名刺を持つように、Eightがビジネスパーソンの必需品として、学生時代から引退するまでのビジネス人生を支え続けられる存在になれれば」と語った。
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