基礎体温を記録して妊娠可能日を予測するアプリ「Natural Cycles」のアルゴリズムに、Apple Watchで測定した体温のデータを利用できるようになった。同アプリの開発企業Natural Cyclesが米国時間9月19日に発表した。「Apple Watch Series 8」以降のApple Watchを持つ、同アプリのユーザーが対象となる。
Natural Cyclesは女性の月経周期に伴う体温変化を記録するアプリで唯一、避妊目的の利用を米食品医薬品局(FDA)が認証しているアプリだ。他の月経周期を記録するアプリと異なり、排卵を検知し妊娠できる数日間の「受精可能期間」を予測するために、Natural Cyclesでは基礎体温を週に5回以上、ほぼ同じ条件で測定する必要がある。
Apple Watch Series 8、「Apple Watch Ultra」「Apple Watch Series 9」「Apple Watch Ultra 2」は温度センサーを搭載しており、装着して就寝することで、月経周期に従って発生する体温のわずかな変化も検知している可能性がある。基礎体温は専用の基礎体温計で朝一番に測定することでも正確に測定でき、Natural Cyclesでも年額119.99ドル(約1万7800円)のサブスクリプション契約では基礎体温計を提供している。とはいえ、Apple Watchや「Oura Ring」のようなウェアラブル機器に備わっている、自動で体温を記録する機能を利用すれば、この一連のプロセスをずっと楽に実行できるはずだ。
Natural Cyclesによると、このアプリの有効性は最大98%に達するという。ただしこの方法は、経口避妊薬(ピル)などの避妊方法に比べて、「完璧」に実行することがはるかに難しいという問題がある。例えば、飲酒や体調不良、通常よりも2時間以上睡眠時間が増減する、といった場合に体温測定の精度が狂うためだ。
また、Natural Cyclesが一部のApple Watchモデルと組み合わせて使えるようになったとはいえ、これはAppleの「ヘルスケア」アプリの周期記録やAppleのデバイスを避妊に使うべきだ、という意味ではない。排卵および月経期間の予測はあくまで予測であり、避妊法として用いるべきではないことは明示されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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