街なかで「Apple Watch Ultra 2」(799ドル、日本では税込12万8800円)をつけている人を見かけても、初代「Apple Watch Ultra」だと思ってしまうかもしれない。ケースのサイズはどちらも49mmで、素材は同じチタニウムだ。しかし、新しいApple Watch Ultra 2は画面輝度が最大3000ニトに向上し、歴代Apple Watchで最も明るくなった。「Apple Watch Series 9」と同時に発表されたApple Watch Ultra 2は、Appleにとって初代Apple Watch Ultraに続く、2つ目のアウトドア向けハイエンドウォッチだ。発売は9月22日を予定する。
2022年に出た初代Apple Watch Ultraは、筆者の評価では、過去数年に登場したスマートウォッチの中で最も刺激的な製品だった。その進化版となるApple Watch Ultra 2を、短い時間ではあったがApple Parkで試すことができた。特に感銘を受けたのは画面の明るさと、片手で操作できる「ダブルタップジェスチャー」などの新機能だ。他にもスポーツ用途を意識したツールがいくつか追加されているが、必ずしも初代モデルからの買い換えが必要とまでは言えない。
初代Apple Watch Ultra(799ドル、日本では税込12万4800円)は、Garminなどから出ている競合製品に対抗するために、Appleが考えた冒険のためのスマートウォッチッチだった。スキューバダイビングやハイキング用の特別な機能を搭載するなど、幅広いスポーツ愛好家向けに設計されていたが、大画面と持ちのいいバッテリーを備えたApple Watchがほしいというユーザーとっても魅力的な選択肢だった。こうした魅力は新モデルにも受け継がれている。
Apple Watch Ultra 2では、画面輝度が最大3000ニトに引き上げられた。初代モデルは2000ニトだったことを考えると、大幅な向上だ。これにより、雪の中や日光の下など、屋外の明るい場所でも画面が見やすくなるはずだ。コントロールセンターでフラッシュライトを起動すると、初代モデルとの明るさの違いが分かりやすい。
Apple Watch Ultra 2のために用意された新しい文字盤「モジュラーUltra」は、高度、深度、秒数などのデータを画面のエッジ部分に表示する。短いハンズオンの間だけで、文字盤上に情報を配置できるスロット(コンプリケーション)を7つ以上見つけられたので、自分のニーズに合わせて自由度の高いカスタマイズが楽しめそうだ。
ナイトモードは環境光センサーを活用し、周囲がある程度の暗さになると自動的に起動する。第2世代の超広帯域無線(UWB)チップを搭載しているため、「正確な場所を見つける」機能を使ってiPhone 15を探すこともできる。
Apple Watch Series 9と同じく、「ダブルタップのジェスチャー」も搭載されている。これは片手で時計を操作できる機能で、例えば親指と人差し指をタップするだけで、かかってきた電話に出ることができる。この機能は、加速度センサー、ジャイロスコープ、心拍センサーのデータを処理することで実現している。
ダブルタップのジェスチャーは初期設定で有効になっているが、実際の挙動は使う場面によって変化する。筆者は時間を確認するために手首を上げ、2本の指をダブルタップすると、watchOS 10の機能「スマートスタック」(ウィジェット)を呼び出せた。そこでもう1度ダブルタップすると、ウィジェットがスクロールした。タイマーアプリを立ち上げた状態でダブルタップすると、カウントダウンの開始・停止ができた。同じジェスチャーで電話に出ることもできる。
これはApple Watch Series 9と同様に、新世代の「S9」チップを搭載したことで実現した機能だ。S9の搭載により、Siriへのリクエストをデバイス上で処理できるようになり、音声認識の精度も向上した。前夜の睡眠時間など、最新の健康データをSiriに聞くこともできる。
新しいwatchOS 10を搭載するApple Watch Ultra 2は、Bluetooth対応アクセサリーとペアリングすることで、ペダル回転数を測定できるようになるなど、サイクリスト向けのツールが充実した。ライブアクティビティを利用して、iPhoneの画面上にサイクリング関連の指標を表示することも可能だ。筆者はこの2カ月間、watchOS 10のパブリックベータ版を入れた初代Apple Watch Ultraでこれらの機能を試してきたが、サイクリストとして非常に便利だと感じた。
Apple Watch Ultra 2では、使用可能な高度の範囲が広がり、海面下500mから高度9000mまで対応できるようになった。水深アプリのアップデートにより、セッションのログ保存が可能になり、Apple WatchやiPhoneでセッションを確認できるようになった。Huish Outdoorsの「Oceanic+」アプリを使えば、フリーダイビングにも対応する。
ケースに使用されている再生素材の量も増えた。初代Apple Watch Ultraのケースは、使用されているチタニウムはすべて非再生素材だったのに対し、アルパインループまたはトレイルループと組み合わせたApple Watch Ultra 2では再生チタニウムが95%を占める。バッテリー駆動時間は初代Ultraと同じで、通常の使用時で36時間、低電力モードでは最大72時間となっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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