「PlayStation Portal」ハンズオン--ソニーのリモートプレイ専用機を触ってみた

Sean Booker (CNET News) 翻訳校正: 編集部2023年08月30日 07時30分

 ソニーが発表した「PlayStation 5(PS5)」のリモートプレイ専用機「PlayStation Portal リモートプレーヤー」の非公開デモに参加し、初期バーションの実機をプレイしてきた。会場では、今回発表されたゲーム機だけでなく、セットで使える「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」や「PULSE Elite ワイヤレスヘッドセット」、そしてこの3つのデバイスで使われる新たなワイヤレス接続技術「PlayStation Link」も試すことができた。PlayStation Portalは、見た目も感触も良く、短いデモの間はサクサク動いたが、価格に見合う価値があるかどうかはまだ分からない。

PlayStation Portal
提供:Sean Booker/CNET

 PlayStation Portalは、5月に「Project Q」というコード名で発表されていたものだ。価格は199.99ドル(日本では税込2万9980円)。「近日」中に予約受付が開始され、2023年中に発売予定だ。新しいPULSEシリーズからは、イヤホンのPULSE ExploreがPlayStation Portalと同価格で、同じく年内に発売され、その後ヘッドセットのPULSE Eliteが149.99ドル(日本では税込1万8980円)で発売される。

 最初に言っておくと、任天堂の「Nintendo Switch」やValveの「Steam Deck」、あるいはソニーが初めて発売した携帯型ゲーム機「PlayStation Portable(PSP)」と異なり、PlayStation Portalはリモートプレイ専用のデバイスだ。つまり、PS5を持っていることが前提となる。内蔵ストレージはなく、PS5に接続しない限り、単体では何もできない。PlayStation Portalは、Wi-Fi等でPS5本体と接続してゲームをストリーミングするため、自宅から持ち出して遊ぶことも可能だ。

PlayStation Portal
提供:Sean Booker/CNET

 ソニーによれば、「ソファに座って大画面でゲームをプレイするだけでなく、手元でもPS5らしい体験を楽しめるように」することを目指したという。PlayStation Portalは、最大60Hzのリフレッシュレートに対応した8インチ液晶ディスプレイを搭載する。ソニーの説明では、これが長時間のプレイでもストレスがたまらず、文字が見やすく、体験が損なわれているという印象も与えない、最適のサイズだという。

 個人的には、映像はシャープで鮮明だと感じた。液晶ディスプレイ自体に不満はないが、明るさやコントラスト、色域の広さの点では、有機ELパネルに軍配が上がるように思う。最近は「Nintendo Switch(有機ELモデル)」の画面に慣れていたので、余計そう感じるのかもしれない。また、ソニーにとって最後の携帯ゲーム機となった「PlayStation Vita」(初代モデル)は有機ELパネルを搭載していたことは指摘しておく価値がある。

 PlayStation Portalは軽い。Nintendo SwitchとSteam Deckの中間くらいだろう。具体的なバッテリー駆動時間は明らかにされていないが、ソニーのPS5用ワイヤレスコントローラー「DualSense」と同等の7〜9時間程度を目指しているようだ。

 実際、PlayStation Portalの左右にあるコントローラー部分は、DualSenseにそっくりだ。Switchのコントローラー「Joy-Con」は本体から取り外せるが、PlayStation Portalのコントローラー部分は(Steam Deckと同様に)ディスプレイに固定されており、取り外せない。PS5でおなじみのハプティックフィードバックやアダプティブトリガー、マイク等の機能はすべて搭載されている。タッチスクリーンはタッチパッドとしても利用できる。操作は左右どちらの親指でも可能だ。ヘッドホンジャックとUSB-C充電ポートは本体の背面にある。

PlayStation Portal
提供:Sean Booker/CNET

 「ASTRO’s PLAYROOM」や「Returnal」のようなゲームは、PS5でプレイした時とまったく同じ感覚で遊べた。明らかに違うのは、アナログスティックのパッドがDualSenseよりも少し小さいことくらいだ。ソニーの担当者によれば、「PlayStation VR2」のコントローラーについているスティックと同じものだという。

PlayStation Portal
提供:Sean Booker/CNET

 弾幕ローグライクゲームである「Returnal」や、アクションゲームでもそこまでシビアではない「ASTRO’s PLAYROOM」や「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」をプレイした際は、遅延をまったく感じなかった。ただし、今回のデモは特別に用意された部屋で提供されたもので、PS5との距離も数mしかなかったため、筆者の話は割り引いて聞く必要がある。担当者の説明では、PlayStation Portalとの接続は基本Wi-Fiで行われるため、PS5本体がある部屋とは別の部屋でプレイすることも可能だ。現在提供されているリモートプレイ機能と同じく、PlayStation Portalを家の外に持ち出し、自宅外のネットワーク経由でPS5に接続してゲームをプレイすることもできる。ただし、快適に遊べるかどうかはWi-Fi環境や接続の強度次第だ。

 新しいPULSEシリーズのイヤホンPULSE Exploreは、PlayStation Portalと同時に発売される予定だが、ヘッドセットのPULSE Eliteの発売はその少し後になる見込みだ。PULSEシリーズのデバイスはどちらも、音の再現性が高いことで知られるプレーナーマグネティックドライバーを内蔵しており、今回のデモではどちらも好感触だった。イヤホンは軽量かつ快適で、収納・充電用のケースも付属する。

PULSE Explore
PULSE Exploreイヤホン
提供:Sean Booker/CNET

 ヘッドセットとPlayStation Portalの接続にはPlayStation Linkだけでなく、Bluetoothも利用できる。PULSEシリーズにはPS5と接続するためのUSBアダプターが同梱されているため、PS5を複数のヘッドセットやPCと接続することも可能だ。このUSBアダプターは単体での発売も予定されており、ボタンを押すだけでPS5からPCに切り替えられる。

 PULSEシリーズのイヤホンとヘッドセットは、同時に複数の入力に対応している。例えば、ゲームをプレイしながらDiscordのチャットに参加することが可能だ。内蔵マイクを使えば両方の音声を聞き、話すことができる。PULSE Eliteのマイクは格納式となっており、使用時は左側から引き出す。また、どちらのマイクもAIによるノイズリダクションを採用している。

PULSE Elite
PULSE Eliteヘッドセット
提供:Sean Booker/CNET

 普段からリモートプレイを使ってベッドでゲームを楽しんでいる筆者にとって、今回の体験はかなり満足のいくものだった。価格は思っていたよりも手頃だったが、既存のリモートプレイ機能を使えば、すでにS5以外のデバイスでもゲームを遊べることを考えると、200ドルのリモートプレイ専用機をあえて買う価値があると言えるかどうかは悩ましい。近いうちに製品版をテストするのが楽しみだ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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