「Galaxy Tab S9/S9+」レビュー:有機EL搭載、防水仕様の高性能タブレット

Matthew Miller (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2023年08月08日 07時30分

 サムスンの従来の「Galaxy Tab」シリーズでは、モデル間の違いは、ディスプレイのサイズとバッテリーだけではなかった。ディスプレイ技術自体もモデルによって異なる特徴の1つであり、ハイエンドモデルには、LCDではなくAMOLEDが搭載されていた。

Galaxy Tab
提供:Matthew Miller/ZDNET

 今回サムスンが発表した2023年の「Galaxy Tab S9」シリーズでは、3種類のモデルの違いがこれまでよりも少なく、主な相違点は本体のサイズとカメラの構成となっている。巨大な14.6インチの「Galaxy Tab S9 Ultra」は必要ないが、フラッグシップレベルのタブレット体験を享受したいという人にとって、これは素晴らしいニュースだろう。

 実際、筆者は基本モデルのGalaxy Tab S9と「Galaxy Tab S9+」を使ってみたが、正直に言って、Ultraモデルが恋しくなることはあまりない。記事を読み進めれば、その理由を分かってもらえるはずだ。

 まず、Galaxy Tab S9には、11インチのディスプレイと8400mAhのバッテリーが搭載されており、本体の重さは5G版が500g、Wi-Fi版は498g。S9+は、より大型の12.4インチディスプレイと1万90mAhのバッテリーを備えており、重さは同586gと581gである。

 米国の場合、S9+は、サムスンがWi-Fi版よりも30ドル(約4300円)高い5G版を提供する唯一のモデルとなっている。5Gサービスは、Verizon、AT&T、またはUS Cellularによって提供される。ちなみに、Ultraモデルでも5Gには対応していない。

 この新しいタブレットシリーズのユニークな特徴の1つが、IP68規格の防塵・防水性能を備えていることだ。本体に頑丈なケースを装着すれば、あらゆる環境に対応できる堅実な現場用デバイスが手に入る。ケースを装着しなくても、IP68等級の防塵・防水性能があるので、プールサイドで使うことが可能だ。お風呂やビーチでリモートワークをしてもいいかもしれない。そんなことを考えるのは、筆者だけだろうか。

Galaxy Tab S9
Galaxy Tab S9では、アクティブなタスクバーのおかげで、容易に画面を分割できるようになった。
提供:Matthew Miller/ZDNET

 2023年のGalaxy Tab S9シリーズでは、「Sペン」もIP68にアップグレードされている。また、「Galaxy Tab S8」シリーズでは6.2ミリ秒だった遅延も、2.8ミリ秒に改善された。タブレットで文章を書いたり、スケッチしたりすることが多く、高精度の入力を必要としている人には朗報だ。

 過去のモデルと同様、S9シリーズでも、すべてのモデルにSペンが付属する。しかも、ユーザーが選択した本体カラーとマッチするSペンが同梱される。S9シリーズでは、Sペンを左右の向きに関係なく本体背面の磁気アタッチメントに固定できるようになった。この磁気機構はそれほど強力ではないので、Sペンを付けた状態で本体を持ち歩くときは、気を付けた方がいい。

Galaxy Tab S9
提供:Matthew Miller/ZDNET

 サムスンは、Sペンをタブレットに同梱しているという点で、Appleよりも明らかに優秀だ。筆者は「OneNote」との完璧な同期をサポートする「Samsung Notes」アプリを愛用している。メモを取るという点に関して言えば、サムスンのタブレットよりも優れた製品を見つけるのは難しい、と筆者は確信している。

 仕事で使うと言えば、S9とS9+はデバイス上と、接続されたディスプレイ上で「Samsung DeX」モードを使うことができる。アプリについてはAppleの「iPad」の方が優れているかもしれないが、サムスンのタブレットは、より多くのマルチタスク機能を提供することで、作業体験を最適化している。Galaxy Tabで作業をしていて、必要なアプリが不足していると感じたことは一度もない。

 S9とS9+はいずれも、アーマーアルミニウム製のフラットエッジ、特徴的な円形のカメラ突起部、上部側面の電源ボタンと音量ボタンを備えている。画面内指紋センサーと充電用のUSB Type-C(USB-C)端子も搭載されている。キーボードカバーを固定するためのコネクターピンと窪みが下部側面に配置されているが、今回のレビューではキーボードアクセサリーは試していない。

S9の上部
提供:Matthew Miller/ZDNET

 「Dynamic AMOLED」ディスプレイは、2023年のタブレットラインアップで大幅にアップグレードされた点であり、非常に素晴らしい。ディスプレイはいずれも60Hz~120Hzの可変リフレッシュレートに対応しているので、使用する状況に応じて、適切なリフレッシュレートが適用される。

 サムスンは「ビジョンブースター」という機能も搭載している。これは、ユーザーが屋外の直射日光下や明るい環境で作業しているときにディスプレイの輝度とコントラストを調整する機能だ。筆者は自宅の裏庭でこの機能を試したが、画面が暗くなることを心配せずにタブレットを使用できて、とても快適だった。

 タブレットは確かに仕事にも使用できるが、大多数のユーザーは、タブレットをメディアハブとして使用している。筆者は、電車通勤中や飛行機での移動中、スペースが限られていてノートPCでは使いづらいというときに、タブレットを重宝している。S9やS9+で映画やテレビ番組を視聴するのは、本当に快適だ。色合いが美しく、パフォーマンスも完璧で、音質も素晴らしい。筆者がタブレット本体でオーディオを大音量で再生したときに、ちゃんとしたスピーカーではなくタブレットから音が出ていることに妻は衝撃を受けていた。

S9のスピーカー部分
提供:Matthew Miller/ZDNET

 S9とS9+はいずれも急速充電をサポートする大容量バッテリーを搭載している。筆者は1週間使用したが、どちらのモデルのバッテリーも丸1日持続した。

購入に関するアドバイス

 Galaxy Tab S9シリーズのいずれかのモデルを検討している米国ユーザーの場合、サムスンが無料のストレージアップグレードを提供しているので、先行予約期間中に購入した方がいいだろう。最小構成のモデルと同じ価格で、12GBのRAMと512GBのストレージに無料でアップグレードできる。最大1TBのmicroSDカードでストレージを拡張できることも覚えておこう。

 タブレットをキーボードなしで使用することが多く、ほとんどの場合、本体を縦向きにして画面に1つのアプリだけを表示させているなら、S9が最適な選択肢だ。外付けキーボードを接続し、複数のアプリを横に並べて使うつもりで、2つ目の背面カメラを欲している人は、S9+を選んだ方がいいだろう。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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