フリップフォン(折りたたみ式携帯電話)が最初に登場したときのことを覚えている人もいるだろう。筆者の初めての携帯電話もフリップフォンだった。当時の携帯電話は小さくコンパクトで、ポケットに簡単に収まった(今日のものは、必ずしもそうとはいえない)。
あらゆるトレンドと同様、テクノロジーも1990年代から2000年代初頭にかけての懐かしい時代に回帰しようとしており、フリップフォンも、サムスンやMotorola、Googleなどのブランドが折りたたみデバイスを発表したことで、着実に復活しつつある。
サムスンは先ごろ、同社の「Unpacked」イベントで、折りたたみデバイスの新世代モデルとして「Galaxy Z Flip5」と「Galaxy Z Fold5」を発表したばかりだ。これらのデバイスは、2019年に「Galaxy Fold」が発表されてから、大きな進歩を遂げてきた。
初代Galaxy Foldの価格は1980ドル(日本では22万3200円)だった。驚くほど高い価格だが、多くの人は、それまでの概念を覆す第1世代の製品であることと、さまざまな部品によって複雑に構築されていることが理由だろうと考えた。また、時間の経過とともに製品も成熟(そして、低価格化)していくだろうという見方もあった。
ところが、それから4年が経過した今でも、最新機種のGalaxy Z Fold5の価格は初代モデルの約2000ドルよりもわずかに安い程度であり、今日の市場で最も高価なスマートフォンの1つとなっている。参考までに、「iPhone」で最も高価な機種の「iPhone 14 Pro Max」は1099ドル(日本では16万4800円)からであるのに対し、サムスンの新しいGalaxy Z Fold5は1799.99ドル(約25万円)からとなっている。
世代を重ねてきたスマートフォンにこうした高い価格が設定されているのはなぜだろう。国際的な調査会社Counterpoint ResearchのシニアリサーチアナリストJene Park氏によると、その原因は今も折りたたみデバイスの部品にあるという。
Park氏は米ZDNETに対し、「通常、折りたたみスマートフォンはメインディスプレイのほかに、サブディスプレイも備えている。また、メインディスプレイのサイズも、折りたたみ式ではない一般的なディスプレイのサイズのほぼ1.2~1.5倍だ」と語った。「つまり折りたたみ製品は、ディスプレイだけに限ってみても、他の機種と比較してどうしても高くつく」
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