Twitterの混乱が続く中、ユーザーの移住先として複数のソーシャルネットワークサービス(SNS)が注目を集めている。その1つが「Bluesky」だ。Twitterの共同創業者でかつて最高経営責任者(CEO)を務めたJack Dorsey氏が2019年に立ち上げた。見た目も機能もTwitterと似ているが、Twitterの現オーナーであるElon Musk氏が持ち込んだトラブルとは無縁の場所だ。
Twitterユーザーの獲得を狙うSNSは、他にも「Mastodon」やMetaの「Threads」がある。このうちMastodonは、複雑な登録手順や、複数のサーバーで構成されているという性質のせいもあってか、まだあまり人気はない。Threadsは、サービス開始直後から数千万人のユーザーを集めたが、主要な制約の解消や新機能の追加に追われる間に、すでにユーザー数は下降を始めている。
Blueskyでは、Twitterで利用できた高度な機能の一部が使えない。例えば、ダイレクトメッセージ(DM)などだ。他のSNSと比べると、ユーザー数もまだ少ない。しかし、SNSとしての基本機能は一通りそろっており、インターフェースもクリーンで分かりやすい。Twitterに慣れている人なら、すぐに慣れることができるだろう。
Blueskyの最大の問題は、そもそも参加のハードルが高いことだ。まだベータ版のため、アクセスは招待制となっている。しかもウェイティングリストは長い。しかし、もし招待コードを手に入れてユーザー登録ができたなら、BlueskyにはTwitterやThreadsなどのSNSにはない利点がある。Blueskyへの乗り換えを検討すべき5つの理由を紹介する。
Blueskyを利用する方法は2つある。モバイルアプリを使うか、ウェブサイトからアクセスするかだ。つまり、PCからでもモバイル機器からでも投稿を読んだり書いたりできる。それに対して、MetaのThreadsは、ウェブサイトから投稿は読めるが、投稿はできない。投稿したい時はモバイルアプリに切り替える必要がある。ウェブサイトからの場合、投稿を読むことも容易とは言えない。ThreadsのURLにユーザー名を手動で追加しなければならず、一度に表示できるのは、そのユーザーの投稿だけだ。
Blueskyのモバイルアプリ(「iOS」版と「Android」版」)はよくできており、フィード、検索、通知、プロフィールに簡単にアクセスできる。ウェブサイト版も同じくらい便利だ。主要な機能とオプションにはウェブサイトからでも簡単にアクセスできる。モバイルアプリでも、右にスワイプすればウェブサイト版と同じメニューが表示される。アプリとウェブサイトは見た目も使い勝手も同じなので、切り替えもスムーズで簡単だ。
Blueskyの検索機能は、アカウントと投稿内容の両方を検索できる。これもThreadsとの違いだ。Threadsは現在、アカウントしか検索できない。Blueskyのアプリまたはウェブサイトで「Search(検索)」を選択し、検索したい言葉を入力すると、検索結果には投稿とユーザーの両方が表示される。
フィードに特定のコンテンツを表示させたくない場合も、Blueskyなら簡単だ。フィードに表示されるコンテンツの制御はアプリからでもウェブサイトからでもできるが、ウェブサイトの方が細かい設定が可能だ。
ウェブサイト版Blueskyの場合は「Moderation(モデレーション)」カテゴリーを選択する。アプリの場合は右にスワイプし、「Moderation」を選択する。「Content Filtering(コンテンツのフィルタリング)」を選択すると、露骨な性的画像やヌード、性的示唆を含むコンテンツ、暴力的なコンテンツ、ヘイト画像、スパム、なりすましアカウント等の取扱い方法(非表示、警告、表示)を選択できる。
TwitterとThreadsにもコンテンツフィルタリング機能はあるが、Blueskyの方が精度も実用性も高い。
Blueskyは、ユーザーが自分のフォローしているアカウントを見たり、新しいアカウントを見つけたりできるように、3種類のフィードを用意している。「Following(フォロー中)」、「What's Hot(今、話題)」、「Popular with Friends(フレンドに人気)」だ。「Following」フィードには、自分がフォローしているアカウントの投稿のみが表示される。「What's Hot」フィードには、その時点で特に話題になっている投稿が表示される。「Popular with Friends」フィードには、自分がフォローしているアカウントの間で人気のある投稿が表示される。
他のフィードを見つけることも可能だ。「My Feeds(マイフィード)」セクションに移動し、歯車アイコンを選択する。下にスワイプすると、さらに多くのフィードが表示されるので、見たいフィードにピンのアイコンをつけると、自分のメインフィードにピン留めできる。「Discover(発見)」のオプションを選択すれば、独自のアルゴリズムに基づき、他のユーザーが作成したフィードが表示されるため、好みのフィードをピン留めしたりできる。
対照的に、Twitterには「おすすめ」というフィードがあり、ユーザーが好みそうだとシステムが判断した投稿が表示される。自分がフォローしているアカウントの投稿だけを表示する「フォロー中」フィードもある。Threadsの場合、メインフィードにはフォローしているアカウントとランダムで選ばれたアカウントの投稿が表示されるが、フォロー中のアカウントによる投稿のみを表示する機能も最近追加された。
Blueskyでは、初期設定ではユーザー名にBlueskyのドメイン名である「bsky.social」を付けたものがユーザーのハンドル名となる。筆者(Lance Whitney)の場合なら、「lancewhit.bsky.social」だ。しかし、すでに独自ドメインを持っているなら、自分のドメイン名をハンドル名に使うことも可能だ。独自ドメインを使うことでハンドル名をカスタマイズできるだけでなく、本人認証もでき、既存のウェブサイトとも紐付けられる。
独自ドメインを持っていない人も心配はいらない。Blueskyは、不正なドメイン移管を防止し、ドメイン名を保護してくれることで定評のあるドメイン登録業者Namecheapと提携しており、Blueskyから直接ドメイン名を購入できる。この方法でドメイン名を設定すると、WHOISディレクトリでのプライバシーの向上、URL転送、メール転送といった恩恵も受けられる。詳細はBlueskyのブログ記事「Purchase and Manage Domains Directly Through Bluesky」(Blueskyから直接ドメインを購入し、管理する)を参照してほしい。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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