Appleがついに、広く知られる生成人工知能(AI)ツールの開発競争に参戦し、多数の企業とともにこの分野の頂点に君臨するOpenAIに挑もうとしている。
BloombergのMark Gurman記者によると、同社は、エンジニアが「Apple GPT」と呼ぶツールをひそかに開発しているという。その名称は、「ChatGPT」を間接的に示唆している。ChatGPTは、最も有名なAIチャットボットで、つい最近「Threads」に抜かれるまでは、史上最速ペースで登録者数1億人を達成した「アプリ」だった。
記事によると、Appleは、「Ajax」というフレーワークによって作成した独自の基盤モデルに基づいて、AIチャットボットサービスを構築した。2022年に初めて構築された同サービスは、「Google Cloud」上で動作する。
この取り組みが始まったのは、OpenAIがChatGPTを公開した数カ月後のことだ。ChatGPTは広く人気を集め、それがきっかけとなって、Microsoftの「Bing」チャットや「Bingイメージクリエーター」、Googleの「Bard」やその他のAI実装、Metaなど、他の競合企業による生成AI開発が加速化した。
Appleの従業員は、Apple GPTツールを社内のみで使用可能で、同社幹部らは、このサービスをいつ一般提供するか決めていないようだ。その開発過程は、セキュリティ上の懸念に阻まれて停止したこともあったが、ツールは現在、Appleの一部の従業員に対して提供されている。ただし、利用するには特別な承認が必要で、その出力を顧客向け機能の開発に活用することは一切禁止されている。
AIの話題はメディアを大いに沸かせているため、Appleが6月に開催した「Worldwide Developers Conference」(WWDC)でそれにほとんど触れなかったことに、多くの人々が驚いた。Gurman氏は、AIはこの数か月間、Appleにとって主要な取り組みの1つだったが、開発チームは情報を公開する準備が整っていないと説明している。
Appleは、同社の全端末上のソフトウェアで、機械学習(ML)という形でAIを活用している。仮想アシスタント「Siri」は、MLと自然言語処理を活用し、Ajaxフレームワークによって既に改良されている。生成AIは同社にとって難しい課題であることが明らかで、同社はまだ最初のApple AIチャットボットを商用化する前の戦略を検討している段階にある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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