Pixel Foldは3つのカメラを搭載する。メインの広角カメラ、超広角カメラ、そして望遠カメラだ。「Pixel 7 Pro」も似たようなカメラ構成を採用しているが、完全に同じではない。Pixel Foldの望遠カメラは1080万画素だが、Pixel 7 Proは4800万画素だ。
総合的に見て、Pixel Foldのカメラはかなり充実していると感じた。他のPixelシリーズと同様に、Pixel Foldのカメラも色のバランスが良く、鮮やかでありながら不自然なところがない。細部も精密に描写できている。日中、夜間、室内など、さまざまな条件で撮影してみたが、メインカメラと超広角カメラは常にくっきりと鮮明な写真を撮影できた。
望遠カメラについては、解像度こそPixel 7 Proに劣るものの、今回のテストで撮影したズーム写真は、Pixel 7 Proで撮影したズーム写真と遜色なかった。Pixel FoldとPixel 7 Proはどちらも最大5倍の光学ズームが可能だ。Galaxy Z Fold4の光学ズームは最大3倍なので、わずかだがPixel Foldの方が被写体に寄ることができる。一方、デジタルズームの倍率はPixel 7 Proが最大30倍なのに対して、Pixel Foldは最大20倍にとどまる。
下の画像は、Pixel FoldとGalaxy Z Fold4で撮影した写真を比較したものだ。肌色は、Pixel Foldの方が正確に美しく表現できているように感じる。Galaxyの写真は、Pixel Foldと比べると白飛びしているように見えることがあった。
一方、下の画像が示しているように、Galaxy Z Fold4の方が色に艶が出るケースもあった。
Pixel Foldは、低照度環境での撮影性能も高い。夜にレストランの外で筆者の写真を撮ってもらったところ、Pixel Fold、Pixel 7 Pro、Galaxy Z Fold4のどれも良い写真が撮れたが、Galaxyの写真が最も明るかった。ただ、Pixel FoldとPixel 7 Proの写真の方が柔らかい表情を捉えられているため、個人的にはPixelシリーズの方が好みだ。しかし明るさのみで評価するなら、少なくともこの3枚の中ではGalaxy Z Fold4が最も優れている。
Pixel Foldで撮影した写真を他にも何枚か紹介しよう。
Pixel Foldなどの折りたたみスマホが普通のスマートフォンと大きく違う点は、L字型に折り曲げると自立することだ。これは実質的に三脚が内蔵されているようなもので、手ぶれの心配がなく、集合写真のセルフィーも撮りやすい。
テーブルトップモードでカメラアプリを立ち上げると、ディスプレイの下半分にカメラの操作パネルが表示され、ディスプレイの上半分がファインダーになる。この機能自体は、すでにサムスンが実現しているため、目新しさはない。Galaxy Z Fold4の場合は、ディスプレイの下半分に表示されたカメラ操作パネルの横に、直前に撮影した写真が表示されるため、写真の出来をすぐに確認できる。
カメラに関するPixel Foldの優位性は、基本的にディスプレイの大きさと形から来ている。端末をL字型に曲げた時に、カメラのファインダーとなる方のディスプレイは、Galaxy Z Fold4よりもPixel Foldの方がはるかに高さがあるため、プレビューを確認しやすい。
セルフィーをよく撮るなら、Pixel Foldは撮影方法の選択肢が多い。外部ディスプレイの上部にある950万画素の前面カメラに加えて、端末を開くと800万画素のインナーカメラもある。Galaxy Z Fold4のインナーカメラは400万画素なので、2倍の解像度だ。Z Fold4と比較すると、Pixel Foldのインナーカメラで撮影したセルフィーの方が自然で、細部の表現も優れているように見える。しかし、Z Fold4の方が髪の色は鮮やかに表現されており、どちらの方が魅力的かと言えば、Z Fold4の方だろう。
折りたたみ式の構造を活かしたセルフィーの撮り方もある。Pixel Foldを開き、外側を自分の方に向けた状態で持ち、外側ディスプレイをファインダーとして使って、背面カメラで自撮りする。背面カメラを使った方がセルフィーの画質が上がることは間違いないが、両手で端末を持つ必要があるため、「iPad」で写真を撮るようなやりにくさがある。
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