Microsoftによるゲーム開発会社Activision Blizzardの買収計画をめぐって米連邦取引委員会(FTC)が起こした訴訟で、「Xbox」を統括するPhil Spencer氏が米国時間6月23日、証言台に立った。同氏は、Microsoftの事業慣行について興味深い内容を明かし、ゲーム機の提供で競合する「PlayStation」開発元のソニーについても主張を述べた。
The Vergeの記事によるとSpencer氏は、Microsoftが現在、ゲーム機競争においてソニーと任天堂に次いで3位にあると証言したという。同氏は宣誓した上でさらに、買収が成立しても、Activision Blizzardの「Call of Duty」シリーズのゲームをPlayStationプラットフォーム上で、提供停止にしたりダウングレードしたりすることはないと述べた。
「そのためにどのようなことでもする」と、Spencer氏は法廷で述べた。「当社はCall of Dutyの将来のバージョンをソニーの『PlayStation 5』に今後も提供し続けるというのが、私の誓約であり、私の証言だ」(同氏)
687億ドル(約9兆9000億円)でのActivision Blizzard買収完了を目指すMicrosoftをめぐるこの訴訟で、軍隊をテーマとしたファーストパーソンシューティングゲームであるCall of Dutyは、この訴訟の主要な争点の1つだ。FTCは、この買収によってビデオゲーム業界の競争が阻害されると主張している。
Spencer氏は証言の中で、競合企業としてのソニーの動きについて主張を述べた。ソニーは、サードパーティー企業と契約してゲームをXboxにリリースさせないようにするなど、市場におけるXboxの地位を引き下げるために収益を費やしていると、同氏は主張した。ソニーは、PlayStation 5用の開発者キットをMicrosoftに送ることを渋り、それが原因で、Xboxにおける「Minecraft」のリリースは遅れ、ゲームは最適化されていないバージョンになったと、Spencer氏は述べた。
MicrosoftがActivision Blizzard買収計画を発表したのは、今回のMicrosoftとFTCの間の訴訟が起きる1年以上前のことだ。Microsoftは計画の発表後、事業を展開するさまざまな国で、独占禁止当局に買収の承認を求めてきた。同社にとって最大の難関が英国と米国だ。両国の規制当局は買収を阻止する姿勢で、ビデオゲーム業界の競争阻害を懸念として挙げている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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