下半身を鍛えるトレーニングの初日に疲労困憊したので、筆者は翌日のトレーニングをスキップすることにした。ありがたいことに、Carroll氏はそれに合わせて筆者のルーティンを調整し、体力の回復を助けてくれた。
回復と言えば、Carroll氏はサプリメントを薦めてくれた。食事やマクロ目標についても、同氏と話すことができた。これは、法的責任に関する懸念から、企業がAIフィットネスアプリで制限する可能性があるものだ。どのようなサプリメントを摂取すべきかをChatGPTに尋ねたところ、ホエイプロテイン、クレアチン、魚油の錠剤、マルチビタミンを薦められた。マクロ目標に関するお薦め情報は、筆者の体型と減量目標を考えると、間違っているように思えた。オンラインのマクロ計算機は170~200gの炭水化物を推奨しているのに対し、ChatGPTは360~540gの炭水化物を推奨した。
Futureは月額199ドル(約2万8000円)と、FitnessAIよりもはるかに高額で、しかも多くのジムのメンバーシップよりも高い(本記事の執筆のために、Futureは筆者にトライアルメンバーシップを提供してくれた)。しかし、ジムでのパーソナルトレーニングセッションには、1回あたり50~150ドル(約7000円~2万1000円)超が必要であることを考えると、Futureを通して、完全にパーソナライズされたワークアウトを1カ月間続けることは、決して悪くはない。
健康とウェルネスの分野では、AIは初期段階にある。最終的には、FitnessAIだけでなく、おそらくほかのフィットネスアプリもAIチャットボットを統合し、ユーザーの質問に答えられるようになるだろう。それまでは、よくてもデータを処理して適切なルーティンを作成するだけのアプリを利用することになる。
FitnessAIを使うにあたって、特に不安はなかった。予算が限られている場合は、すでにジムに通った経験があり、ワークアウトをスマートフォンに記録したい人にFitnessAIをお薦めしたい(とはいえ、無料で同じことができるアプリもたくさんある)。このアプリには、非常に多くのワークアウトがあるので、長年ジムに通ってきた人でも、何か新しいことに挑戦できるだろう。FitnessAIでは、ワークアウトの効果を最大限に高められるかどうかはユーザー自身にかかっている。また、食事やサプリメント、ストレッチ、有酸素運動についても、ユーザーが自力で外部のソースを利用して情報を入手する必要がある。
結論を述べると、AIを活用したソフトウェアやアルゴリズムは、ユーザーの考えや願望に基づいてトレーニングルーティンを生成することはできないし、けがへの対応も適切ではない可能性がある。
しかし、好みは人それぞれだ。エクササイズの結果を他者に報告するというプレッシャーを好まず、アプリに数字を記録するのが好きな人もいるかもしれない。筆者の場合は、人間のトレーナーから実際にフィードバックを得ることがモチベーションの維持につながったので、自分自身の社会的条件付けを痛感させられた。いずれにせよ、ジムで成果を上げることに関して言えば、筆者は機械よりも人間を信頼したい。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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