その翌日は、上腕二頭筋だけを重点的に鍛えた。前回のセッションと同様、ワークアウトの種類はあまり多くなかった(とはいえ、上腕二頭筋のエクササイズでできることは限られている)。ダンベルカールとバーベルカールを続けてやるのは、くどいように思えた。ダンベルカールのすぐ後にやるのが上腕二頭筋の長頭をターゲットとするハンマーカールだったら、上腕二頭筋のさまざまな筋肉を鍛えることができるだろう。上腕二頭筋を鍛える5種類のエクササイズを終えると、腕がくたくたになった。
胸筋を鍛える日にも、筆者は同じ問題に遭遇した。インクラインベンチプレスとインクラインダンベルプレスを続けて行うようFitnessAIから推奨されたのだが、どちらのワークアウトもターゲットの筋肉群は概ね同じだ。ベンチプレスから始めて、スミス・マシン・ベンチ・プレスで終わる意味もよく分からなかった。FitnessAIが、より可動域の広いケーブルチェストフライのようなエクササイズを検討しなかったことに驚いた。
FitnessAIの月額15ドル(約2100円)という利用料金は、数あるほかのフィットネスアプリと比較すると、少し高額かもしれない。それでも、筆者はFitnessAIについて、アクティビティーを記録し、エクササイズの正しいやり方を教えてくれる強力なトレーニングツールだと考えている。このアプリはワークアウトに多様性を与え、効率を向上させるとともに、ユーザーが負荷を徐々に高めていけるようにすることで、けがの可能性を下げることもできる。アプリの機能を最大限に活用できるようになるには時間がかかるので、いつのもルーティンに大きな変化がすぐに現れることは期待しないほうがいい。また、ユーザーが設定で明確に指定しない限り、別のワークアウトスタイルを推奨してくることもない。ただし、設定で指定する場合は、ユーザー自身がある程度の下調べをする必要がある。総合的に見ると、FitnessAIはジムでのエクササイズ経験が豊富なユーザーにより適しているようだ。
FitnessAIは、深層学習AIを使用する「ChatGPT」風のチャットボットを2023年中にアプリに統合する予定であることを認めている。FitnessAIの最高技術責任者(CTO)であるJustin Bingham氏によると、チャットボットを統合することで、「ユーザーの好みを具現化したり、ワークアウトに関するフィードバックを提供したり、栄養からフォームまで、あらゆる質問に対する答えを提示したりできるようになる」という。
未来のバージョンのFitnessAIは会話もできるようになるかもしれないが、それでも、生身の人間を相手にしているときのようにやる気を奮い立たせるのは、難しいかもしれない。
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