トヨタ自動車が、新型の電気自動車(EV)用電池の開発計画を発表した。これを実用化すれば、現行モデルのEVと比べて航続距離を2倍以上に増やせるという。
トヨタは6月13日、同8日に実施した技術説明会「Toyota Technical Workshop」の概要を明らかにし、再充電が必要になるまでの航続距離を約1200kmにまで延ばすのに十分なエネルギーを保存できる、全固体電池を開発中だと述べた。
米国におけるEVの平均的な航続距離は300マイル(約480km)弱で、米国のLucid Groupが展開する2023年モデルの「Lucid Air」が516マイル(約830km)で首位に立っている。
トヨタが2027~2028年の実用化にチャレンジするとしている次世代電池は、わずか10分以内での急速充電が可能になるという。同社は走行距離が約1500kmという、より高度な固体電池の研究開発にも取り組んでいる。
さしあたり、2026年に航続距離1000kmを実現する、現在より効率的なリチウムイオン電池を導入する予定だ。
他の自動車メーカーはゼロエミッション車に全力で取り組んできた。例えばGeneral Motors(GM)は2035年までに、本田技研工業(ホンダ)は2040年までに、それぞれ内燃機関(エンジン)車の製造を終了するとの構想を打ち出している。しかしトヨタはこれまで、EV化の波への対応が遅かった。
トヨタは2017年に、2040年までにガソリン車を段階的に廃止すると発表した。だが、同社のExecutive Fellowを務める寺師茂樹氏は、2021年の株主総会での発言でこの発表から一歩後退し、少なくとも2050年までは1つの選択肢に集中するのは時期尚早だと述べた。一方、カリフォルニア州をはじめとする米国の複数の州は、2035年までに内燃機関搭載の乗用車とライトトラック(貨物の積載量が4000ポンド=1815kg未満のトラック)の販売を禁止する独自の規制を導入している。
トヨタは2026年までにEVの年間販売台数を150万台とする計画を明かしている。なお、高級車ブランドの「レクサス」については、2035年までに100%EV化する予定だという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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