Googleは米国時間6月14日、オンラインショッピングツールに人工知能(AI)を活用して、オンライン小売業者の販売する衣料品を着たときに体型によってどのように見えるかを表示すると発表した。これは、一連の製品やオンラインサービスへの生成AIの組み込みを推し進める同社の新たな動きだ。生成AIとは、要望に応じてトレーニングデータに基づくコンテンツを生成できるAIのこと。
Anthropologie、Everlane、H&M、LOFTなどのブランドと提携して14日に提供開始されたこの新しいショッピング機能は、AIを活用して、衣料品を実際のモデルに着せた画像を生成する。衣料品が実際の人物に着せた場合にどのように見えるかを示すのが、その目的だ。これは、AmazonやWalmartといった大手小売業者による、ホームショッピングとバーチャル試着のアップグレードを目的とした最新の取り組みである。
Googleは、AIを活用して衣料品の画像を生成しているが、実際の人間を使って衣料品のサイズ感を示している。バーチャル試着機能を担当するグループ製品マネージャーであるShyam Sunder氏は記者会見で、このショッピング機能を構築するために、80人のモデル(女性40人、男性40人)を採用したと述べた。
Sunder氏によると、小売業者のウェブサイトに掲載された衣料品1点に対して1枚の画像があれば、その商品のモデル着用画像をAIで生成できるという。同社の技術によって、素材の「ひだ、折り目、まとわり、伸縮、しわや影」がどのように出るかを示すことができると、ショッピング製品担当シニアディレクターを務めるLilian Rincon氏は、同社のブログに記している。まずは女性のトップスを対象にこの機能を導入するが、他のカテゴリにも拡大する計画だという。
デモでは、衣料品のサイズごとに、異なる体型の複数のモデルが着用した画像も示された。肌の色合いがさまざまで、衣服のサイズがXXSから4XLまでのモデルを選んだという。閲覧時にはサイズに加えて、価格、色、パターンが異なる類似製品を検索することもできる。
大手IT企業や小売企業はこれまでにも、試着をより簡単にすることを試みてきた。しかし、Googleの発表は、生成AIを導入して自社の最も重要な製品に組み込むという、大手IT企業の間でより広く進行する動きを反映している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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