TISインテックグループのTISは6月13日、大林組が取り組む、「デジタルツインアプリ」の開発を支援したと発表した。
TISによると、デジタルツインを構築する現場の管理は、3次元モデルを扱える高性能PCや、ソフトウェア操作の高度なスキルの習得、およびデータを取り扱う高度な技術が必要なことから、一部の建設現場で試験的に行われているのが実情であるという。
今回のデジタルツインアプリは、大林組が大学や企業との連携により企画・構築したもので、高性能PCや特別なスキルを必要とせずに、建設現場のデジタルツインを構築することを目的としている。
操作画面は、ゲームのように直感的な操作を可能とするシンプルなデザイン。ネットワーク経由でクラウドを利用することで、どこからでも現場をリアルタイムに確認することができる。アノテーション(付箋)機能などにより、安全指摘事項などの共有と保存も可能としている。
TISは、本アプリ開発において、大林組が東京大学と行った「データ・システム連携基盤」の共同研究をベースに「データ連携基盤の構築」を行ったほか、「多種類のデータ集約・座標変換ロジック」の考案と実装を担当。操作性や快適性を向上させるため、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンが提供するアプリケーションのカスタマイズで、大林組と連携している。
開発にあたっては、Amazon Web ServicesAWSやKubernetesの活用による、クラウドネイティブアーキテクチャでのアプローチを採用。クラウドの利点を活用した開発により、アプリケーションへの機能追加やアプリケーションのユーザー数増減といった要素に対して、高い俊敏性・弾力性を持つデータ連携基盤を実現したとしている。
また、現場で生成されるデータは、さまざまな業務アプリで作成され、アプリやデータごとに異なる座標系や各種属性を持っており、これらを同一アプリ上で3Dデータとして描画し、必要な属性を利用可能な状態にするには、業務アプリごとの差異を吸収し、かつ各データが持つ座標情報をはじめとする、各種属性情報の変換・統合を行うことが必要だという。
TISは、各種業務アプリや扱うデータ種類が追加となっても、容易に対応可能な柔軟性、拡張性、弾力性を持ったシステムアーキテクチャに加え、異なる座標系を持つデータの座標統合をリアルタイムで実現するロジックを考察、実装することにより、本アプリでの「多種類の3Dデータを同一座標系で統合し、リアルタイムに閲覧する機能」を実現した。
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