General Motors(GM)とFordは先ごろ、自社の電気自動車(EV)で北米地域におけるTeslaの「Supercharger(スーパーチャージャー)」ネットワークを利用できるようにする契約をそれぞれTeslaと締結した。いずれも2024年に実現する見込みだ。
これらの契約により、手の届きやすい価格のEVを製造しているGMとFordはTeslaのプロプライエタリーな充電規格を自社のEVに搭載し、米国最大のEV充電ステーションのネットワークを利用できるようになる。
これには、北米地域の急速充電ステーションの約60%を占めるTeslaの充電ステーション1万2000台が含まれる。
米国におけるEVの約70%はTeslaとGM、Fordが製造したものだ。このため、3社が同じ充電規格を採用することで、Teslaの充電規格は実質的に米国の、そしておそらくは北米地域全体の新たな標準となるだろう。
Teslaの最高経営責任者(CEO)Elon Musk氏は、5月にFordとの契約を発表した際に実施したTwitterの「スペース」で、「Teslaのスーパーチャージャーネットワークを壁で囲まれた、閉ざされた庭園にしたくないという考えが根底にある。われわれはこのネットワークを電化と、サステナブルな輸送全般を支援するものにしたい」と契約の動機について語っていた。
Teslaの充電技術が米国での標準になると、同社にさらなる利益がもたらされることにもなる。GMとの契約が発表された翌9日、Teslaの株価は5.8%上昇し、GMの株価も3.1%上昇した。Piper Sandler&Coの金融専門家らは、Teslaはこれらの契約によって2030年までに最大30億ドル(約4200億円)の充電料金を得られるようになるだろうと述べた。
FordがTeslaの充電システムを搭載するのは2025年以降に販売予定のEVになるが、「Combined Charging System(CCS)」搭載車でも、Tesla製のアダプターを用いることでTeslaのSuperchargerネットワークにアクセスできるようになる。GMも今回、同様の動きに出ることになる。
Musk氏はGMとの契約を発表した際の別のスペースで「これにより、EVの進歩を根幹から支える素晴らしい成果が実現するだろう」と述べていた。
近年、EVのユーザーや業界幹部らは、さまざまな充電システムが存在することがEV普及の障害になっていると指摘している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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