ソニーG、「PS5」過去最大の販売台数に--好調ゲーム事業を支える戦略

 ソニーグループは、投資家およびアナリストを対象にした「事業説明会 2023」を開催。そのなかで、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野の取り組みについて、ソニー・インタラクティブエンタテインメント幹部が、「PS5によるコンソールの成長」「ポートフォリオの拡大」「ソニーグループのコラボレーション」の3つの観点から説明した。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント グローバルマーケティング・セールス・ビジネスオペレーション担当シニアバイスプレジデントのエリック・レンペル氏は、コンソールの成長について、「『PlayStation 5』(PS5)は、これまでのなかで最も強力なプラットフォームであり、2022年度は1910万台を販売し、第4四半期はPlayStationの歴史上、過去最高の販売台数に達した。累計出荷台数は3840万台に達し、供給状態が正常化した現在も引き続き強い勢いを維持している。供給が制約されていたなかでは、複数のサプライヤーからの調達や、最適な配送ルートに関する物流交渉などにより、素早く提供できる手段の確保に取り組んできたが、いまは、すべての地域において、供給の正常化という待ち望んでいた状況が達成できている。だが、まだ充足できていないペントアップ需要があり、2023年度第3四半期には、PS5のインストールベースが、『PS4』を上回ると想定している。この状況は、日本を含むいくつかの市場ではすでに達成している。コンソールでは、競合ブランドに比べてリードを保っている。これが優れたコンテンツの創出と高いビジネス成長、高い水準のエンゲージメントにつながっている。PS5コンソールは、最も強いポジションにあるデバイスであり、需要とエナゲージメントはどちらも高い」などと、ビジネスの好調ぶりを強調した。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント グローバルマーケティング・セールス・ビジネスオペレーション担当シニアバイスプレジデントのエリック・レンペル氏
ソニー・インタラクティブエンタテインメント グローバルマーケティング・セールス・ビジネスオペレーション担当シニアバイスプレジデントのエリック・レンペル氏

 PS4と比較しても、より多くのユーザーが高い頻度でゲームをプレイしているほか、「PlayStation Plus」(PS Plus)や「PlayStation Store」の利用割合が高くなっており、「この結果、ユーザーあたりの支出がかつてないほどに高まっている。2023年度は、あらゆる指標で、PS5がPS4を上回ることになる」とした。

 また、PS Plusのサービスを2022年6月に刷新し、新たなコンテンツを継続的に追加。していることに触れながら、「これにより、外出機会が増加するなかでも、ゲームプレイの増加を促し、ARPUが上昇を続けている。わずか10カ月間で、30%のユーザーエクストラやプレミアムといった新たなサービスを選択している結果も出ている。そのうちプレミアムが半分以上を示している」という。

 さらにアクセサリビジネスも好調に推移していることを強調。「PlayStation VR2」(PS VR2)は、前世代のVRを上回る販売台数で推移。今後も継続的にVRタイトルを投入していく姿勢を示した。


 ソニー・インタラクティブエンタテインメント シニアバイスプレジデント PlayStation Studios責任者のハーマン・ハルスト氏は、ポートフォリオの拡大について説明。「将来の成長を支えるためにポートフォリオへの投資に取り組んでおり、既存IPの活用、新たなフランチャイズの構築、ライブサービスゲームをはじめとしてさまざまなプラットフォームでのユーザー体験の拡大に投資している」と語った。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント PlayStation Studios責任者 シニアバイスプレジデントのハーマン・ハルスト氏
ソニー・インタラクティブエンタテインメント PlayStation Studios責任者 シニアバイスプレジデントのハーマン・ハルスト氏

 買収したBungieは、ライブサービスゲームの提供において重要な役割を担うと位置づけ、ゲームソフトウェア開発スタジオである「PlayStation Studios」やソニー・インタラクティブエンタテインメントのパブリッシング部門との連携も強化。すでに「Destiny 2: Lightfall」がBungieの予想を上回る成功を収めたことは、これらの連携が貢献していると述べた。

 ライブサービスは、ゲーム業界全体の成長を支えることから、同社においても、2025年には投資の60%をライブサービスに集中させる計画を示し、「これによって、ポートフォリオを大幅に再編する。Bungie、Haven、Firewalkの買収に加えて、大幅な内部向け投資、戦略的人材獲得により、今後、複数のライブサービスをリリースする」とした。

 PlayStation Studiosでは、多様で収益性の高いゲームポートフォリオを構築。PC向けビジネスが重要な構成要素に成長しており、コンソールを超えて幅広いプレーヤーにコンテンツを提供する考えを示した。2022年度はBungieの既存PCビジネスの貢献があり、PC向け収益が3倍に増加。大手PCゲームストアではトップ20にランクインしたほか、コンソール向けの主要ゲームタイトルである「Spider-Man:Remastered」を2022年8月に、「The Last of Us Part1」を2023年1月に、PC向けに発売したことも紹介した。2023年度はPC向けタイトルで、4億5000万ドル(2022年度は2億5000万ドル)の売上規模を目指す。


 モバイル向けには2022年度に水面下での取り組みを進めたとし、今後はモバイルゲーム業界のリーダーとのコラボレーション、社内の開発力を活用した独自のネットワーク構築、モバイルコンテンツ提供に必要なツールセットを備えたトップクラスのパブリッシングチームの設立の3点に取り組む。

2025年度には新作ラインアップのほぼ半分をPCとモバイルにする計画

 同社によると、2025年度には、新作ラインアップのほぼ半分を、PCとモバイルにする計画であり、「SIEにとって劇劇的な変化になる」と位置づけた。

 また、新たなIPへの投資を加速。2019年には20%だった投資比率を2025年度にはIP投資全体を拡大しながらも、その半分を新たなIPが占める計画であり、「この投資が、2020年代後半に大きなリターンを生み出す」と述べた。年2本以上の大型タイトルをリリースし、幅広い分野においてビジネスモデルの基盤を強化するという。

 さらに、ゲームの枠を超えた展開を強化。映画やテレビドラマへの展開のほか、テーマパークのアトラクション、グッズへの展開も進める。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント 財務・コーポレートストラテジー&デベロップメント担当シニアバイスプレジデントのリン・タオ氏は、ソニーグループのコラボレーションについて説明。「ソニーグループ内のコラボレーションが、SIEの競争優位性をもたらすことになる。共同プロモーションの実施に留まらず、IPの拡大にも連携して取り組んでいる」とした。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント 財務・コーポレートストラテジー&デベロップメント担当シニアバイスプレジデントのリン・タオ氏
ソニー・インタラクティブエンタテインメント 財務・コーポレートストラテジー&デベロップメント担当シニアバイスプレジデントのリン・タオ氏

 The Last of USは、HBOにおいてテレビシリーズとして展開。ゲームの販売にもポジティブな影響を与えたという。

 また、財務面からは、「ユーザーエンゲージメントを深化させ、プレーヤーベースを拡大することによりビジネスを成長させることに尽力する」と発言。「プレーヤーに魅力的な提案を続けることにより、コンソールビジネスを成長させることができる」とした上で、「今後数年間は、コスト削減と利益創出に、より注力する。投資に対するリターンの水準を向上させることが優先事項になる」と述べた。

 ソニーグループの上席事業役員であり、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの社長兼CEO、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの代表取締役社長を務めるジム・ライアン氏は、「2025年度には、(ハードの性能を熟知した)ファーストパーティータイトルの売上げを倍増させるという計画の達成には自信がある。Bungieの買収については、予定を上回る成果があがっている。共同マーケティングも好調である」とした。

ソニーグループ 上席事業役員、ソニー・インタラクティブエンタテインメント 社長兼CEO、ソニー・インタラクティブエンタテインメント 代表取締役社長のジム・ライアン氏
ソニーグループ 上席事業役員、ソニー・インタラクティブエンタテインメント 社長兼CEO、ソニー・インタラクティブエンタテインメント 代表取締役社長のジム・ライアン氏

 「PS5は、現在の3800万台に加えて、あと7000万台の販売が見込まれる。PS4のユーザーを取り込めるほか、これまでPS4を持っていなかった人たちも取り込むことができる。PS5はマージンも大きく、需要も大きい」などと述べた。また、「クラウドテクノロジーを活用し、モビリティを高めていくことが求められている。SIEでもユニークな取り組みを考えており、クラウドおよびモビリティに関しては、今後数カ月で新たな発表ができる」と語った。

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